理科室の貴重な生物標本が捨てられている 図鑑博士の斎木健一さんが警鐘

石井知明 (2022年7月1日付 東京新聞朝刊)
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図鑑の話になると笑みがこぼれる斎木健一さん(写真はいずれも佐藤哲紀撮影)

 2000冊もの図鑑を所有する「図鑑博士」の斎木健一さん(60)に取材した記事「図鑑が子どもの知的好奇心を伸ばす!」を、東京すくすくで公開しました。

 子どもの知的好奇心を伸ばしたい親としては、図鑑に触れてほしいもの。おすすめの図鑑や読ませるコツを聞きたかったのですが、斎木さんは「その前に、まず子どもをよく見ることです」とキッパリ。

 「好きじゃないものを与えては絶対にダメ。その子にとって面白いことなら、自分で調べる楽しさを体感できる」。図鑑がずっと友達だったという斎木さんの「友達は自分で選ぶものですから」という言葉がじわりと胸に響きました。

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千葉県立中央博物館分館「海の博物館」ロビー前庭に展示されているツチクジラの骨格標本。10メートル以上あります

 さて、千葉県立中央博物館分館「海の博物館」の分館長を務める斎木さんが今、研究者として取り組むテーマは「学校標本」。少子化で学校の統廃合が進む中、明治~昭和期に作られ、理科室などに保管されていた生物標本が、どんどん捨てられているのです。

 「例えば種の保存法で保護の対象になったライチョウは、新たな標本を手に入れることはほとんどできない。でもそこらじゅうの学校にある。よく調べると絶滅した個体群だった、ということもあります」

 驚くことに、1970年代に絶滅したと考えられているニホンアシカの標本もあるそうです。「そういう国家レベルで貴重なものが、断捨離と言って失われていく。高校の生物部が1960年代に地元で植物標本を作った、といったケースも貴重です。その標本は二度と手に入らないんです」

 あなたの身近な学校にも古い標本や剥製が眠っていませんか。心当たりのある方はぜひ「海の博物館」に連絡を。

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千葉県勝浦市の海沿いにある県立中央博物館 分館「海の博物館」

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