川崎市の市民団体「なないろほたる」教員向けに多様性バッジを寄託 「子どもたちにLGBTQのことを伝えられるように」
竹谷直子 (2023年7月28日付 東京新聞朝刊)
川崎市の市民団体が学校の教員向けに多様性を表す虹色の缶バッジ約1200個を作成し、川崎市教育委員会に寄託した。市立学校では昨年度からLGBTQの当事者らを講師に招いた授業を行っており、団体は「身に着けてもらって、子どもたちにLGBTQのことを伝えられるようになってほしい」と期待を込める。
七色の虹とホタルの光に思いを込めて
この団体は、LGBTQの当事者や家族、地域のサポーターでつくる「なないろほたる」。川崎市内を中心に当事者の居場所づくりや市民向け講座を開いている。
缶バッジは、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」の助成を受けて作った。性的マイノリティーを表す6色に「アライ」と呼ばれる支援者らの一色を加え、虹と、羽を広げてほほ笑んでいるホタルがあしらわれている。ホタルのように暗い中でも光を放っている様子を、人に気づかれなくても「ここにいる」と頑張っている当事者の人たちに重ねてデザインした。
当事者が講師「性の多様性プログラム」
川崎市教育委員会は、昨年度からLGBTQなどの当事者を講師として招く授業「性の多様性プログラム」を希望する学校で始めている。昨年度は小中学校と特別支援学校の計20校、本年度は小中学校25校で行う予定で、バッジは参加校の教員でプログラムの前に研修を受けた人を対象に配布する。
バッジを受け取った市教委の米倉竜司人権・多文化共生教育担当課長(53)は「先生方に自分がアライだということを、意識してもらいたい。日常的に着けることで、子どもたちが安心できる材料になる」と話す。
なないろほたるは、プログラムが一過性のものとならず、教員がLGBTQについて知り、子どもたちに「自分らしく生きればいい」と説明できるように、との願いをバッジに込めたという。「プログラムを行う学校への感謝も込めてバッジを作った。この先生に話しても大丈夫だと、安心できる子が一人でも増えれば」としている。
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