よみがえれ!プラネタリウム 柏市立図書館が修繕費をクラウドファンディング

林容史 (2023年7月29日付 東京新聞朝刊)
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アットホームな雰囲気で星空を投影する柏市のプラネタリウム

 子どもたちの宇宙への憧れを育んできた小さなプラネタリウムが、柏市立図書館本館2階にある。開館から47年、星空をドームに映し出してきた投影機を修繕するため、柏市が費用の一部をクラウドファンディングで募っている。すっかり古びてしまったが、市民らが「柏プラネ」と呼んで大切に使い続けてきた場を守ろうと、協力を呼びかけている。

開館から47年 愛される「柏プラネ」

 「子どもたちが星や宇宙、科学を身近に感じるきっかけになっている。小さい頃、プラネタリウムに通った子が親になり、今度は自分の子どもを連れてきている」。柏市立図書館の柳川行秀統括リーダーは、柏プラネについてこう語る。

 柏市立図書館は1976年の開館で、この年の5月から投影を開始した。投影機はプラネタリウムのトップメーカー五藤光学研究所(東京都府中市)が、学校教育向けに開発した「GE-6」。操作卓にずらりと並んだつまみ類で調整しながら、スライドを差し替えたり、音響効果を加えたりする。コンピューター制御の最新システムとは異なる、手動式のプラネタリウムだ。

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クラウドファンディングで修繕費の一部を募っている柏プラネの投影機=いずれも柏市で

 ドームの直径はわずか6メートル。新型コロナの影響で、2020年2月から休演していたが、昨年7月から月に1度、1日4回に減らして投影を再開した。観覧席は45席あるが、今も20人に入場を制限する。

 小中学生を中心に、就学前の子どもを連れた家族や学生、社会人、高齢者などさまざまな層に親しまれ、コロナ前は年間約2000人が訪れていたという。

有志10人ほどが機器の操作や解説も

 機器は年1回、五藤光学研究所が定期点検を実施し、電球を交換するなどメンテナンスしながら大切に使ってきた。しかし、最近は惑星が暗くなるなど性能が落ちてきていた。このためオーバーホール(分解掃除)をし、部品を交換して現役の輝きを取り戻す。

 旧型の機器を使い続けるプラネタリウムは全国的にも珍しく、五藤光学研究所によると、必要な部品が調達できなくなるなど、今後はさらに修繕が難しくなるという。

 柏プラネを愛する千葉、神奈川、東京の有志10人ほどでつくる「柏プラネタリウム研究会」が、プログラムづくりから機器の操作、解説などを担う。駒井仁南子(になこ)代表は「電球で小さなドームに映し出す星空は圧倒的に美しい。この雰囲気そのものを大切に残していきたい。クラウドファンディングをきっかけに柏プラネを愛する人が増えてくれれば」と願う。

修繕費200万円 寄付は目標100万円

 16日の投影を観覧した市内の会社員太田裕一さん(59)は、小学5年生の時に完成したばかりのプラネタリウムを訪れ、星に興味を持った。子どもが小さかった頃、よく連れてきたという。「近所にプラネタリウムがあるのがうれしかった。小さくてかわいらしくて、身近な空の話も良かった」といとおしむ。コロナをきっかけに天体望遠鏡を買い、星空を見上げているといい、「貴重な機器を保存するためにも、ぜひクラウドファンディングに協力したい」と話した。

 200万円以上かかる見通しの修繕費のうち、100万円を目標にクラウドファンディングを募る。全ての寄付がふるさと納税の対象となる「ガバメントクラウドファンディング」を活用する。寄付はサイトの「つづくを、つなぐ。柏プラネタリウム-星空のものがたり-」のページで受け付けている。目標額に到達した時点で受け付けを終了する。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年7月29日

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  • 今も昆虫少年 says:

    先だっても、科博のクラファン(クラウドファンディング)が話題になった。我が国は残念ながら芸術や学術(つまり直接の関りが無くても生活に差し障りがない分野)への支援がなかなか組織化されない問題がある。このような文化というか社会の在り方が根付いていけば良いと思う。

    今も昆虫少年 男性 50代

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