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〈古泉智浩 里親映画の世界〉イントロダクション―僕の背中を押してくれた「里親映画」とは?

   

古泉智浩「里親映画の世界」

【イントロダクション】

 漫画家として10~20代の男子をテーマにした作品を描くかたわら、多くの映画を見続けてきました。そうしていると自分の人生の折々を投影し共感するといった場面に出合います。近年、僕は男の子の赤ちゃんを里親として預かり、その後養子縁組しました。それから数年たち現在、女の子の赤ちゃんも里子で預かっています。里親として子を迎えるにあたって、大いに勇気づけられたのが「里親映画」でした。里親映画などというジャンルは存在しないので、僕が作りました。大きなくくりでは、血縁のない大人と子どもが親子のように暮らす描写のある映画のことです。

 形式によってジャンル分けもしてみました。児童相談所から公式に委託される場合は「公式里親」、『八日目の蝉』(2011年、日本)のように子どもを誘拐して自分の子どもにしてしまう「誘拐」、『そして父になる』(2013年、日本)のように手違いで養育してしまう「事故」、『火垂るの墓』(1988年、日本)のように親戚に預けられる「親戚里親」などがあります。養子縁組は厳密には里親ではないのですが、里親映画では里親として扱います。

 里親に関心を持つ以前から、こうした数多くの里親映画を意識せずに見ていました。実際に里親活動を始めると、自分がそれらの映画に非常に強く背中を押されていたことに気づきました。実際に里子を迎えてからは、さらにフォーカスして見るようになりました。特に意識しない時から好きだった映画作品に里親映画が多数含まれており、親しんでいたことですんなり里親となる道へかじが切れたように思えます。

 今、不妊治療で苦しんでいる人はぜひ治療と並行して児童相談所の里親研修を受けていただいたら、きっと気持ちが楽になるはずです。そして、里親映画の世界にも親しんでいただけたら、いろいろな選択肢が世界にはあるのだと感じていただけると思います。

vol.1『ブリグズビー・ベア』誘拐犯の後ろめたさと「恐るべき幸福感」

古泉智浩(こいずみ・ともひろ)

 1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。代表作に『ジンバルロック』『死んだ目をした少年』『チェリーボーイズ』など。不妊治療を経て里親になるまでの経緯を書いたエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』や続編のコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』で、里子との日々を描いて話題を呼んだ。現在、漫画配信サイト「Vコミ」にて『漫画 うちの子になりなよ』連載中。