野田聖子衆院議員 パパと息子がセンターのわが家、いい関係です〈ママパパ議連 本音で話しちゃう!〉

子育て世代がつながる

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 衆院議員の野田聖子です。

 前回コラムを担当された高瀬弘美参院議員から、こんな質問を頂きました。

 「息子さんとの時間の過ごし方で工夫されている点はありますか?」。息子は1月に10歳になりました。正直言うと、コロナ禍までは365日ほとんど家にゆっくりいられなかったので、今こういう状況になって、息子とじっくり一緒にいられるようになりました。平時は、朝から仕事で夜は会合…息子は21時には寝てしまうので、帰宅しても寝ているところしか見られない日がほとんどでした。この1年はいろんな意味で厳しい1年だったけど、息子が私をママとして認識してくれるようになった1年かなあと思います。

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息子と

 夫がほぼ全部息子のことを見てくれてきたので、息子はパパが大好き。以前は私と一緒にお風呂にも入ってくれなかった。けれど最近は「ママ一緒に入ろう」って言ってくれたり、ハグしてくれたり。パパがいない時は「パパがいないから抱っこしてあげる」って言ってくれます。悪い男なの(笑)。一緒にいることは大事だなあと改めて思います。とはいえ、仕事もありますよね。彼も学校に行っていて、放課後は放課後デイとか公文式とか、それなりに行っています。だから大概家族で集合できるのは19時くらい。その頃になると大体、看護師さんが来てくれて、胃ろうなどの息子のケアをしてくれます。だから20時から息子が寝落ちするまでの1時間くらいが一緒にゆっくりできる時間ですね。

 息子はそういう時間に、私と夫が話すことをちゃんと聞いています。例えば、こういう仕事をしていると批判を受けることもあって、「自分としてはちゃんとやってきたつもりなのになあ」と落ち込むこともあります。そういう話を最近も夫に話していたら、息子はきっと中身はわかっていないのだけれど、こちらへ来て「大丈夫、大丈夫」って言ってくれて。きっと私の表情を読み取っているのかな。いつも笑っているママが、なんか真面目な顔をしているから何かあったんだろうなって。で、「ありがと」って言うと、パコンって私の頭を叩いてきて、ついつい笑ってしまう。そういう何気ない息子とのやりとりが、自分が崩れ落ちそうになるのを止めてくれています。いろいろあるけれど、目の前にいる小憎たらしい息子のために、頑張らないといけないなあと思います。本当は私が彼のために生きないといけないのだけれど、彼が私のために生きてくれている気がしますね。何もしてくれないし、言うこと聞かないのだけど(笑)。

 最近、彼のブームは、国会内の理容室で髪を切ること。つい先日も国会へやって来て、秘書さんに連れて行ってもらって、さっぱり刈り上げてもらってきました。これまではパパに髪の毛を切ってもらっていたけれど、もうお兄ちゃんになったからって、うれしそうにしています。

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議員会館で

 さて、冒頭でも触れたように、息子は今年10歳。10年前といえば、東日本大震災が発生した年でした。東日本大震災が起きたあの日、息子は集中治療室に入っていました。やはり東京も停電になってしまって、もし彼がつけていた人工呼吸器が止まったらどうしようと気が気じゃなかった。もし止まっていたら、命が終わっていた。病院の非常電源があったおかげで、彼は薄暗いなかで生きていてくれました。一生忘れられない日です。以来、命というものを常に個人としても意識する日になりました。東日本大震災に関しては、だんだん最初のころほど世の中の熱意がなくなっていることが気になっていて。だからこそ、いつも彼の誕生日にあの日の話をするようにしています。

 息子は生まれてから2歳3カ月まで入院していました。その間は離ればなれ。NICUで1日1回、20分しか会えなくて、搾乳したおっぱいを凍らせて届けるというのが私の仕事でした。そのうちに、NICU内でたらいのお風呂に入れたりできるようになっていきました。ただ呼吸が弱まると、「万が一のことがあるといけないから」と病院から呼び出しがあって、そのときは本当に切なかった。いつも大丈夫かなって心配してばかりいました。

 ある時、息子が心肺停止になり、緊急手術をすることになった時、私は当時の財務次官との勉強会を主催していて、抜け出すのが難しい状況でした。夫にそのことを伝えると「いいよ仕事してて。いてもいなくても命には変わりないから、自分がいるから」って言ってくれた。それでも、当時財務副大臣だった小渕(優子)さんに「実は息子心肺停止なのよ。代わってくれる?」ってお願いしたのを覚えています。「気にしないで行ってください」って言ってくれて…。その2年3カ月の間にいろんなことがありました。

 ようやく退院してからもいろんなことがあった。私は自民党の総務会長(2012~14年)になっていて、保育園や幼稚園のときはほとんど家にいなかったので、夫がほぼ全部見ていてくれました。だからこそ今、割と家に長くいられる時間は、私がちゃんと息子の世話をしようと思っています。夫婦関係にとってもそれは大事。仕事はあんまり家ではしない。だからこそ日中は自分にはっぱをかけて、一心不乱に仕事。そのほうがかえって頭に入ります。家に帰ったら息子の世話をしないといけないので、日中だらだらしている時間はないんです。

 息子の将来について、夫はやっぱり心配しています。字が書けなかったり足し算ができなかったりする息子を見て、「この先自分たちがいなくなった時にこの子大丈夫かな」ってすごく悩んでいます。普通の子どもを育てたことがないので比べようがないのだけど、私は「誰だって突然何が起きるかわかんないし、心配なのはみんな同じじゃないかなって思う」と返します。そうすると夫からは「だから嫌なんだよ、国会議員は。きれい事ばっかり言って」とか言われちゃって(笑)。でも、たまたまうちの息子は死に対するリスクが高いだけで、逆に言うと外に出る時間が少ない分、交通事故に遭う確率は低かったりする。よくわからないけど、今の息子との時間を十分楽しめたらいいのかなと思っています。

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 この10年を振り返ると、やっぱりお父さんが子育てするべきだと思う。だって私は産んでいるから。そういう親としてのエビデンスがあるから。だから多少何があっても平気なんです。やっぱり自分は命がけでお腹のなかで約1年近く育てるわけだから、そこは頭で考えなくても結びつきってどうしてもある。DNAがつながってなくても、へその緒がつながっていたのだから。だけど父親ってその間がない。うちは夫がずっと面倒見てきたから、そういう意味ではバランスのとれた子どもになっていると思います。息子にとってママが働くのは当たり前の事で、だから働くママに理解がある。息子からはよく「今日国会?」って聞かれます。どんな子どもでもこれは当てはまるんじゃないかな。子どもも、ママが親だというのはわかっている。そこに、パパがちゃんと親になれると、子どもにとって良いバランスがとれるんじゃないかなって思うんです。

 息子は、パパにはキスするけど私にはしない。長くいる方が好きに決まっているから。パパのことはなめまわしちゃって大変です(笑)。パパはそんな息子に、「勉強しない」「パンツが脱ぎっぱなしだ」とか言って息子を怒ってばかり。だけど、息子はどんなに怒られてもお金を出してくれるママよりパパのほうが好きなんですよね。それを見ていて、私もなんかうれしい。さみしい、けどうれしい、みたいな。彼はいろんなものを欲しがって、「これ買って」「あれ買って」って言うんです。私は甘いから「いいよ~」って言うのだけど、「でもパパが良いって言ったらね」っていうと、息子は小声で「ムリムリ~」「(パパに)言ってよ、言ってよ」と。親子コントみたい。パパがセンターだから疎外感がない。普通は逆が多いですよね。ママと子どもがべったりで、パパが人工衛星みたいに回っているケース。うちはパパと息子がセンターで、私が後列にいる感じだけど、私は産んだというつながりがあるから対等。いい家族関係だなって思います。

 最後に次回のコラムを担当される公明党の高木美智代さんに質問です。もうお子さんも大きいんですよね。仕事でご一緒していても、いつも完璧なお姿ばかり拝見しています。だからこそお聞きしたいです。「高木さんに欠点ってあるんですか?」。もしあるならば、お聞きしてみたいです。

野田聖子(のだ・せいこ)

 衆院岐阜1区、当選9期、自民党幹事長代行。1960年9月生まれ。上智大卒。戦後最年少(当時)で入閣し郵政相に就任。2011年に卵子提供で長男を出産。自民党総務会長、総務相、衆院予算委員長などを歴任した。20年9月から現職。

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