ユーチューバー ちゃんまりさん ADHDの夫との生活に苦しんで…特性を理解してお互い楽になりました

海老名徳馬 (2022年4月10日付 東京新聞朝刊)
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ちゃんまりさん(UUUM提供・ダイスケさん撮影)

家族のこと話そう

同居で分かった大変さ 毎日隠れて泣いた

 夫のダイスケさんと一緒に動画投稿サイト「YouTube」で沖縄での暮らしを発信しています。夫は発達障害の一つである注意欠陥多動性障害(ADHD)。身支度に時間がかかるので、本当の予定よりも早い時間を伝える。集中していると返事をしても耳に入っていないので、目を合わせて伝える。そんな夫との日常や障害の対処法を紹介した動画は、公開から1年半で490万回以上、再生されました。

 夫はフォトグラファーで、私が名古屋でヘアメークをしていた2015年に出会いました。交際初日に障害を告げられましたが、「そこまで困ることはないだろう」と深くは考えませんでした。でも、自分たちのフォトスタジオを作ろうと、6年前に夫の故郷の沖縄に移住し、一緒に暮らし始めた頃は大変でした。使ったティッシュや靴下を片付けず、トイレを流さない。お金がなくても欲しいと思ったら衝動的に買う。話した内容を覚えていないことも多い。ないがしろにされているように感じて、毎日隠れて泣いていました。

「夫の嫌な部分は…」 解決よりサポート

 そんな私の姿を見て、夫は病院に行って薬を飲み、症状に対処しようと頑張ってくれました。「私も何かしよう」とADHDについて詳しく調べて、夫の嫌な部分は全て障害の特性だと気付きました。できないのは努力が足りないからではなく、障害だからしょうがない。根本的な解決を求めず、私がサポートして一つ一つの症状に対処するようにして、お互いに楽になりました。

 ユーチューバーの仕事は、夫の真面目な性格と、こだわりが強い発達障害の特性にうまくかみ合っていると感じます。数秒のシーンのために何度も撮り直したり、編集を明け方までやっていたり。それだけやったからこそ、多くの人に視聴してもらえるようになったのだと思います。

私もグレーゾーンだった 2人で進もう

 昨年、私もASD(自閉スペクトラム症)のグレーゾーンという診断を受けました。空気が読めなかったり、会話がうまく成り立たなかったりと、以前から感じていた生きづらさの原因が分かりました。診断されて思うのは、ただ理解を求めるのではなく、理解してもらえる自分になることが大切だということ。夫のように自分ができることを頑張り、できない部分は「この人はこれだけやっているからいいか」と周りに思ってもらえる自分になりたい。自分にやれることを一生懸命やり続けるしかありません。

 夫婦げんかは今でもするし、私たちがやっていることが正しいかどうか分かりません。夫婦としてほんのちょっとだけ前に進んだところなので、これからも2人で乗り越えていけたらと思っています。

ちゃんまり

 1991年愛知県生まれ、岐阜県多治見市出身。2017年に開設したYouTubeチャンネル「ナカモトフウフのOkinawa Life Vlog」の登録者数は19万人に上る。先月には、2人の歩みを振り返った夫婦の著書「ADHDの旦那って意外と面白いんよ」(講談社)が出版された。

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