2歳児死亡の衝撃 東京女子医大の事故後は「禁忌」プロポフォールの使用が「格段に減った」

奥村圭吾 (2020年10月22日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2014年、埼玉県の男児=当時(2つ)=が鎮静剤「プロポフォール」の投与後に死亡した事故で、医師6人が書類送検された。プロポフォールは、ICUで人工呼吸中の小児への使用が「禁忌」とされながら、現場の医師の裁量で使われてきた。現在、集中治療などに携わる医師らは「禁忌を破った子どもへの使用は、格段に減ったはずだ」と指摘する。

事故後「意識高まった」 死亡事例なし

 孝祐君の死亡事故は現場に大きな衝撃を与えた。小児科医の男性は「次に何か起きれば、あんな重大事故の後になぜ使ったのかとの批判は避けられない」と指摘。別の医師は「禁忌であれば使わないという、用法や用量を守る意識が高まっている」と話す。

 日本集中治療医学会の元理事長で、北海道函館市立函館病院の氏家良人病院局長によると、プロポフォールの投与で循環不全などの重い副作用症状が出る「注入症候群」での死亡事例は、事故後は確認されていないという。

当時は医師の裁量 5年間で11人死亡

 プロポフォールは、手術の全身麻酔や手術後管理に使われる鎮静剤で、1995年に国内製造が承認された。即効性があり、切れ目も早く使いやすいのが特長だが、海外で小児の死亡例が報告され、厚生労働省は2001年に禁忌とした。

 東京女子医大病院の事故が起きた14年以前は、医師の裁量で使われることがあった。同病院は事故後、2013年までの5年間にICUで人工呼吸中の15歳未満の63人に使用し、11人が死亡したと公表。そのうち5人については「投与が影響した可能性を否定できない」とした。

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