幼稚園の懇談会 父親の僕はマイノリティーだけど楽しかった〈加瀬健太郎 お父ちゃんやってます〉


「おてつだいする」と台所まで椅子を引きずってくる四男。「お手伝いしてくれるの? ありがとう」と言いながら「面倒くさいな」と正直思っている。
「にんじんきる」と自分用のまな板スペースを所望する四男。「切ってくれるの? ありがとう」と言いながら、「じゃまだなあ。今日にんじん使わないし」と正直思っている。
「おりょうりしてるとこみる」とフライパンをのぞきこもうとする四男。「油が飛ぶからね、離れて見てよっか」と言うと、「ここからじゃ見えないよ」と不満を爆発させようとする四男。「じゃあ、抱っこしてあげるね」と言いながら、「あー面倒くさっ。でも、もっと面倒くさい状況になるのだけは避けたい」と正直思っている。かわいさは、面倒くささとともにやってくる。

そんな春の日。四男の幼稚園の懇談会。行ってみると、僕とあと1人を除いて全員母親。マイノリティーの緊張感を味わっていると、もう1人の父親が近づいてきて、「僕だけじゃなくて安心しました」と言ってくれた。
僕は「えへへ」とだらしない笑顔を返しながら、この人のように「さらっと気持ちを伝えられる人」になりたいと思った。懇談会は、想像以上に楽しかった。
行ってよかった。

先日、三男の入ったサッカー少年団の父親飲み会の誘いがあった。「初対面の人たちに交じって、約2時間もうまくやれるだろうか?」と尻込みしたが、「新しい環境に飛び込んだ息子を置いて、父親が逃げだすわけにはいかない」と飲み会へ。
結局、2次会まで参加した僕は、鼻と口に割り箸を2本さして、安来節らしきものをノリノリで踊っていた。
行ってよかった。
加瀬健太郎(かせ・けんたろう)

写真家。1974年、大阪生まれ。東京の写真スタジオで勤務の後、ロンドンの専門学校で写真を学ぶ。現在は東京を拠点にフリーランスで活動。最新刊は「お父さん、まだだいじょうぶ?日記」(リトルモア)。このほか著書に「スンギ少年のダイエット日記」「お父さん、だいじょうぶ?日記」(同)「ぐうたらとけちとぷー」(偕成社)など。15歳、13歳、8歳、5歳の4兄弟の父。これまでの仕事や作品は公式サイトで紹介している。
なるほど!
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