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保育所「落選狙い」は悪質なの? 自治体から困惑の声

大野暢子 (2018年10月29日付 東京新聞朝刊)
 保護者が育児休業の延長に必要な書類を入手するため、人気の高い認可保育所などへの入所を形式的に申し込む「落選狙い」を巡り、厚生労働省は悪質な場合、自治体が職場やハローワークに報告できる仕組みを盛り込んだ対策案をまとめた。年内に正式決定する方針だが、自治体からは、何が悪質か一概に判断できないと困惑や懸念の声が出ている。保育を必要とする人の不利益とならないよう、現行制度改正を求める意見もある。 

給付金受け取りには「落選通知」が必要 

 育休は原則、子が満1歳になるまで取得でき、期間中は雇用保険から賃金の50~67%の給付金が支給される。最長で満2歳の前日まで延ばせるが、保育所の落選を証明する「保留決定通知書」の職場への提出が必要。これがないと給付金がもらえないため「落選狙い」につながっている。

 政府の有識者会議では複数の自治体が、落選狙いの申し込みで事務負担が増え、本当に保育所が必要な人がしわ寄せを受けると報告。東京都江戸川区や大阪市など32自治体が、保留通知なしでも育休延長できる制度改正を国に求めた。

厚労省の対策案は「自治体が内定辞退を通知」

 厚労省は制度改正はせず、落選を望む保護者は当選確率を下げる対策案を、自治体に示すことにした。

 同時に、第1希望の保育所に当選後、内定を辞退し、より競争率が高い2次募集で落選を狙う例を問題視。自治体が、保留通知に内定辞退者と記載できるようにする。辞退にやむを得ない事情があったか職場が審査し、自動的に認められている延長を抑制する狙いだ。厚労省担当者は「悪質な落選狙いの抑止効果も期待できる」と説明する。

「こんな案を求めたわけではない」 

 だが、江戸川区の茅原(かやはら)光政保育課長は「送迎の頼みにしていた祖父母が病気になるなど、さまざまな事情で内定を辞退した後、再び保育所が必要になって2次募集に応募する人はいる」と指摘。大阪市の赤本勇保育企画課長も「こんな案を求めたわけではない。辞退の理由は内心にかかわる。自治体がハローワークに報告するようなことではないし、かえって事務負担は増す。育休期間を自由に決められるようにすべきだ」と訴える。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年10月29日