〈えほん〉「なんでもない」作・鈴木のりたけ

(2021年9月3日付 東京新聞朝刊)

(長壁綾子撮影)

 お気に入りの服が破れてしまい、ベンチに座っている女の子はカラスを見て、「みんな同じ色でつまらなそう」とつぶやく。「そんなのなんでもない」とカラス。夜の暗闇に響くカラスの歌声は美しく、お客さんの待つ町から町へ飛び回り大忙し。「それより、のろまなカメじゃなくてよかった」。するとカメは? 動物から動物へ投げかけがリレーされ、最後は女の子に戻ってくる。

 人からネガティブに見える特徴も、本人には好きなところであったりする。自分は自分だよ、と元気をくれるお話。1650円。アリス館=電話03(5976)7001。

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