旅行プランを子どもに任せよう 予算内で「交通は?食事は?」身に付く金銭感覚〈どんぶり一家のマネー術〉

(2022年7月1日付 東京新聞朝刊)

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どんぶり一家のマネー術

 パートで働く財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4つ)、長女貨保(かほ)ちゃん(0歳)のどんぶり家。一家のお金の悩みにファイナンシャルプランナーの陽子さんが助言するコーナーです。

費用を調べて見積もり 判断力もつく

 財子 今年の夏は久しぶりに、家族でどこかに行きたいなと考えています。

 陽子 コロナ禍で断念していた旅行に出かけようという人が増えていますね。子どもが小学校高学年くらいになったら、旅行プランを立ててもらうといいですよ。マネー教育にもなります。

 財子 おもしろそうです。

 陽子 まず1日に使える予算を伝えます。どこへ行くか、交通手段はどうするか、食事はどこで何を食べるか、お土産はどうするか。1つずつ子どもが自分で調べ、それぞれの予算を見積もってもらいましょう。何がいくらぐらいするのかといった金銭感覚が自然と身につきますし、予算内で何を優先するべきか判断する力も養えます。

 財子 地図ともにらめっこすることになるので、地理の勉強にもなりそうですね。いつか海外旅行にも行きたいなあ。

海外旅行の計画は外国為替の勉強にも

 陽子 コロナ禍前ですが、わが家はシンガポール旅行のプランを当時、小学6年生だった長男に考えてもらいました。交通費やホテルの料金などを調べる際、為替レートも調べて計算するので、外国為替とは何かを学ぶ機会にもなりましたよ。

 財子 確かに「円安」などと言葉を聞くだけでは、なかなかピンときませんよね。

 陽子 計画した時は日本円でいくらだったけど、実際の旅行では計画時より円安だった、円高だった、という変動があると、子どもでも外国為替のイメージがとらえやすくなります。今は、円安などの影響で、海外旅行では現地の物価が高く感じられるかもしれません。ぜひ、今から旅行費用も積み立てておきましょう。

 財子 以前、旅行会社の「旅行積立」で費用をためたことがあります。旅行プランはその会社のものになりますが、確実にたまりますし、満期時にサービス金額が上乗せされるのもいいですね。

 陽子 「子どもたちが小学生になったら」など、旅行までしばらく期間があるなら、定額を積み立てるタイプの投資信託を活用するのも1つの方法です。

監修・八木陽子

写真 八木陽子さん

 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回は8月5日です。

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