重い病気の子に遊園地気分を 横浜こどもホスピスにメリーゴーランド設置へ 7月末まで寄付募る

神谷円香 (2022年7月20日付 東京新聞朝刊)
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メリ〜ゴーランド研究所の寺道健一朗さん(右)、美紀さん夫妻=横浜市中区で

 横浜市金沢区に昨年オープンした子どものための緩和ケア施設「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」に9月上旬、移動式のメリーゴーランドを置いて楽しんでもらおうと、市民有志が今月31日まで寄付を募っている。地域に根ざした施設として存続していくため、施設を広く知ってほしいという願いも込められている。

「応援の輪を広がれば」市民有志が企画

 この企画は、市在住のソプラノ歌手蛇目泰子さん(47)ら、小児がんについて伝える絵本づくりで知り合った仲間4人が「子どもたちに遊園地にいるような楽しい時間を届けたい」と立ち上げた。重い病気の子どもやその家族が過ごす施設について広く知ってもらい、継続して応援してくれる人を増やすことも願いだ。蛇目さんは「同じ気持ちの人がつながり、応援の輪が広がれば」と話す。

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「うみとそらのおうち」を紹介する田川さん(右から2人目)と蛇目さん(同3人目)ら市民有志メンバー=横浜市金沢区で

 移動式のメリーゴーランドを提供するのは、同市中区で手作業で製造する「メリ~ゴーランド研究所」の寺道健一朗さん(52)。1999年に造形会社として独立後、メリーゴーランドの製作に挑み、2012年に第1号を完成させた。

 その後は研究所を名乗り、同市南区の神奈川県立こども医療センターに入院する子どもたちにメリーゴーランドを届ける活動を隔年で続けてきた。寺道さんは「人を笑顔にできる造形物を、とメリーゴーランドを造り始めた。乗ると子どもの顔はぱっと輝く」。ともに活動する妻の美紀さん(42)も「重度障害の子も笑顔になる。楽しんでくれている」と手応えを語る。コロナ禍で同センターに行けずにいるため、施設での新たな機会を歓迎している。

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「うみとそらのおうち」に設置予定のメリーゴーランド。2018年に逗子海岸に設置した時の様子(メリ〜ゴーランド研究所提供)

地域に根差した施設 9月に設置予定

 施設を運営するNPO法人の田川尚登代表理事(64)は「地域の人から遊具を置きたいと言ってもらえるのがうれしくて」と喜ぶ。地域に根差したこどもホスピスは、6歳だった次女を脳腫瘍で亡くした田川さんが望む施設のあり方だ。

 設置は9月3、4日に予定し、4日は地域住民への開放を計画している。寄付の詳細はクラウドファンディングサイト「GoogMorning」で説明している。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年7月20日

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