手に汗握るつり体験!カジキに感激~茨城県大洗町、大洗カジキミュージアム

越田普之 (2018年8月17日 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

カジキの巨大なレプリカがお客を出迎える=いずれも茨城県大洗町で

聖地に巨大レプリカ

 昔ながらの商店街の片隅に、巨大なカジキのレプリカがそびえ立っている。

 茨城県大洗町では毎夏、カジキを狙うスポーツフィッシングの大会が開かれる。愛好家には「カジキの聖地」として有名だが、もっと一般にも知ってもらいたい。そんな願いを込め、日立市で建設会社を営む金成和彦さんが私財を投じ、銀行の元支店を改装して昨年5月にオープンさせた。

 館内へ足を踏み入れると、釣りざおがセットされた座席と大型モニターが目に入る。「世界でも、ここにしかないと思われるカジキ釣りのシミュレーターです」。ミュージアムを運営する団体「NPO大洗海の童」事務局長の川又正寿さん(49)が教えてくれた。

 座席についてスイッチを入れてもらうと、海の映像が流れ始めた。直後にカジキがヒット。リールを巻いたり、あえて泳がせて疲れさせたり、格闘すること約十分。何とか釣ることができた。

 本物のカジキ釣りは、大物になると30分以上に及ぶことも珍しくないという。シミュレーターでは、その激闘の一端を体験できる。画面に映し出される海やカジキの映像は、大洗沖の太平洋で実際に撮影されていて、手に汗握る臨場感が味わえる。

カジキ釣りの一端を体験できる本格シミュレーター。手前のいすにモニターと連動している釣りざおがセットされている

カジキでお腹いっぱい

 川又さんによると、太平洋にはメカジキやシロカジキなど6種が生息。この全種が、親潮と黒潮がぶつかる大洗沖で確認されているという。館の壁沿いには6種のカジキのレプリカがずらり。形状や色合いなどが精巧に再現されていて、それぞれの特徴や生態を学ぶことができる。

 売りは展示物だけではない。カジキを使ったグルメや飲み物が格安で提供されており、町を散策する観光客の人気を呼んでいる。無料で入場できる上、クーラーが効いていて涼しく、「休憩にちょうどいい」とツイッター上で評判だ。

震災から再生

 県内有数の観光地だった町は、東日本大震災で深い傷を負った。東京電力福島第一原発事故の影響にも苦しんだが、人気アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」の舞台となり、活気を取り戻した。ミュージアムのオープンで、相乗効果も生まれつつある。

 「カジキの愛好家は世界中にいる」と川又さん。実際、最近は海外のツアー客の立ち寄りスポットとなっている。小さくてもキラリと光るミュージアムが、スケールの大きい町おこしにつながっていくかもしれない。

メモ

 大洗カジキミュージアム 北関東自動車道(東水戸道路)水戸大洗インターから車で約10分。建物裏手に駐車場がある。鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の大洗駅から徒歩約10分。水曜休館で、午前10時から午後6時まで。土曜日は子ども食堂も開く。東京大学大気海洋研究所のチームが、カジキの生態調査の拠点としても使用する。問い合わせは同ミュージアム=電029(352)3273=へ。

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