俳優 松本怜生さん 夢だった大河出演 「豊臣兄弟!」で「受かるなら三成しかない」と父が断言

俳優の松本怜生さん(MR8提供)

各界で活躍する著名人が家族との思い出深いエピーソードを語るコーナーです
「俳優になりたい」誰にも言えなかった
父と母、姉の4人家族で、愛媛の田舎で生まれ育ちました。バスケ一家でしたが、父がやってほしかったのか、6歳からリトルリーグに入り、野球を始めました。
小学生の時は親がコーチを務めるクラブだったので、父は夜勤の仕事を終えてそのまま試合に来てくれることもありました。母は洗い物で手が切れてしまうくらい肌が弱いのに、泥だらけのユニホームを毎回洗ってくれました。当時はありがたさに気付けませんでしたが、両親には感謝の気持ちでいっぱいです。
甲子園出場が目標でしたが、高校で2度大きなけがをしました。最後の大会前、母も見に来ていた試合で膝の靱帯(じんたい)を切り、ベース上で立ち上がれない姿を見せてしまいました。病院に向かう途中、運転する母が泣いているのを見て、僕も涙が止まりませんでした。申し訳ないのか、つらいのか何とも言えない気持ちで「挫折ってこういうことなんだろう」と考えていました。
「俳優になりたい」と思ったのは、入院中の病室です。でも、その思いは誰にも言いませんでした。僕自身もかなえられるとは思っていなかったですし、口にするのも恥ずかしかったです。すでにスタートラインに立っている同世代がいる中、自分は野球しかしてこなかったから。大阪の大学に進学し、俳優を目指して21歳で上京しました。
三成のように妥協せず演じていきたい
父は「これまで積み上げてきたものはどうなるんだ」と大反対でした。言っていることは正しいですし、親の立場からすると心配する気持ちも分かります。そこで背中を押してくれたのは母でした。「夢を追う姿を楽しみにするね」と言ってくれて、父には「2人で見守ってみようよ」と促してくれました。
出演作の感想を、父は母を通じて伝えてきます。「すごいやん。頑張っとるな。野菜いるか?」と。まだ自分からは胸を張って「見て」とは言えませんが、「見てくれてありがとう」と思っています。
3つ上の姉は僕にとって大切な存在です。長女としての役割を期待されることもある中で、自由を許されている弟をうらやましいと思ったこともあると思いますが、それを言われたことはありません。「怜生は怜生だから」といつも応援してくれて、僕は幸せ者だなと思います。
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に石田三成役として出演が決まった時は、びっくりしました。大河ドラマに出演する目標を口にしていたし、夢がかなってうれしかったです。情報が解禁になると、両親に電話で報告しました。「えーっ!」という母の高い声が聞こえてきて、父は「言うた通りじゃろうが」と。実は帰省した時、父とオーディションのせりふを練習していたんです。「受かるとしたら三成しかない」と父が断言していて、その通りになりましたね。三成のように妥協せずにまっすぐ突き詰めたい。同じ熱量を持って演じていきたいです。
松本怜生(まつもと・れお)
2000年、愛媛県出身。2022年に俳優デビュー。2024年のNHKの連続テレビ小説「おむすび」のほか、「あきない世傳(せいでん) 金と銀」シリーズなど、話題作に多数出演している。放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、石田三成役を演じる。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい










