〈えほん〉「出発 から草もようが行く」作・絵 小泉るみ子

文:長壁綾子 (2018年8月17日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

長壁綾子撮影

 戦争が終わった年の秋、姉さんの嫁入り道具を運ぶため、浩は朝早く家を出た。予科練に志願し、命を国にささげるため、厳しい訓練を重ねてきたのに、今度は生きろと言われても…。浩は深く迷っていた。

 リヤカーを引きながら、バラックが並ぶ焼け野原で、人々の励ましを受ける。真新しい、から草模様の風呂敷が、皆の心を和ませ、浩の冷えた心もぬくもった。

 作者は祈る。少年たちに、「お国のために立派に死んできなさい」などという言葉が使われる時代が二度と来ないことを。

 1620円。(問)新日本出版社=電03(3423)8402。

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