虐待を受けた子をワンストップで支援したい 横浜でNPO「つなっぐ」11日に設立イベント

(2019年5月10日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 深刻な児童虐待が全国で相次ぐ中、横浜市の医師と弁護士らが行政の縦割りなどを排除し、被害に遭った子どものワンストップでの支援を目指すNPO法人「神奈川子ども支援センターつなっぐ」を設立した。「関係機関をつなぎ、タッグを組む」という意味を込めて名前を付けた。行政、病院、警察などの関係者を集めて研修を重ね、連携を深める。

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脱・縦割りへ 医師、弁護士、元検察などが連携  

 代表理事は県立こども医療センター(横浜市南区)患者家族支援部長の田上幸治医師(50)と、子どもの権利保護に取り組む飛田桂弁護士(36)が務める。他に、元検察幹部や元警察官僚、児童心理が専門の医師、大学教授らが名を連ねる。

 児童虐待は、被害児を保護する児童相談所、診察する病院、捜査に当たる警察、検察などが対処する。ただ、縦割り行政と個人情報保護が壁になって情報共有が進まず、深刻化した後に発覚する場合も多い。飛田弁護士は「関係機関がもっと連携していれば防げる被害もある」と語る。

被害児のつらい体験 何度も話さず済むように

 発覚後の聞き取りも児相、病院、警察などが別々にすることが多く、被害児はつらい経験を何度も話さなければならない。つなっぐは関係機関の担当者らが交流を深める研修を開くなどし、課題を整理して解決策を提案するとともに、被害児の聞き取りと医師の診察を一括で行う体制づくりを目指す。

 学校や民間団体とも連携しながら、対応が一段落して行政、警察との関わりが少なくなった被害児を継続してケアする。裁判で証言する際に寄り添い、精神面で支えになるコートハウスドッグ(裁判犬)の普及も訴える。田上医師は「大切なのは子どもの最善の利益を図ること」と力説する。

11日に横浜・関内ホールで設立イベント

 11日午前9時50分~11時半に、横浜市中区の関内ホール小ホールで設立記念イベントが開かれる。立命館大の仲真紀子教授(認知心理学)が、被害児の負担を軽くする聞き取り方法の意義などを講演。その後、つなっぐのメンバー、横浜地検の中村葉子総務部長らを交えて、関係機関の連携を巡って議論を交わす。参加無料で定員二百人。問い合わせは飛田弁護士のベイアヴェニュー法律事務所=電話045(319)4486=へ。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年5月10日

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