家を借りにくい母子世帯を支えたい 横浜の建築家がシェアハウス事業者つなぐNPOを設立

志村彰太 (2019年8月24日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 母子世帯が家を借りにくい現状を改善しようと、母子世帯対象のシェアハウスの情報をまとめたウェブサイト「マザーポート」を運営する一級建築士・秋山怜史(さとし)さん(38)=横浜市中区=らが、全国の母子シェアハウス事業者をつなぎ、母子を支援するNPO法人「全国ひとり親居住支援機構」を設立した。10月25日、横浜市内で設立記念大会を開く。
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大会のチラシを手に参加を呼び掛ける秋山さん=横浜市中区で

「母子世帯理由に入居断る賃貸も」 自らシェアハウス運営

 国勢調査(2015年)によると母子世帯は75万4000世帯ある。秋山さんは「建築家の知識を生かして社会課題を解決したい」と、母子世帯の住環境に注目。家を借りる際、連帯保証人や緊急連絡先の確保が難しかったり、配偶者の暴力から逃れ、トラブルを懸念するオーナーから敬遠されたりすることもあるといい、「母子世帯というだけで入居を断る賃貸住宅もある。しかし、住む場所が決まらなければ、仕事も保育所も決められない」と意義を語る。

 シェアハウスは家賃が割安で、同じ境遇の人が集まれば支え合いやすいと発案。2012年には、知人の不動産業者らと共に川崎市高津区で全国初の母子シェアハウスをオープンした(現在は閉鎖)。

 入居者からは「家を探すのに苦労していたので、助かった」と感謝が寄せられ、秋山さんは空き家の活用方法として、母子シェアハウスをオーナーらに提案。現在は全国に25軒ほどあるという。

新規参入の助言やトラブル対応事例共有 25日に記念大会

 散らばる賃貸情報をまとめるため、2015年にマザーポートを開設。一方で、「シェアハウス事業者同士の情報交換は少なく、各地の事業者が孤軍奮闘している状態だった」。支援が必要な入居者を、行政や弁護士など専門家につなぐのに苦慮する事業者もおり、全国組織のNPOを設立することになった。

 NPOは母子シェアハウス事業者らで構成。入居者のトラブルと対応事例を共有し、ほかの母子支援団体にも提供して連携を図る。新規参入する事業者には助言をする。弁護士や保健師、精神科医と提携し、入居者を支援する。浮かんだ課題を基に行政への政策提案も行う。

 設立記念大会は、10月25日午後1時半~4時半、横浜市中区の県中小企業センタービル13階で。母子シェアハウス事業者の事例発表と対談などがある。参加費は一般3000円、学生1000円。問い合わせは、秋山さんの事務所=電話045(323)9347=へ。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月24日

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