コロナ禍で「先生や大人に話し掛けにくくなった」 子どもへの影響調査、最新報告で”衝撃”

長田真由美 (2021年6月23日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルスの感染拡大が続いたこの1年。国立成育医療研究センター(東京)は、子どもたちへの影響を調査してきた。5月末に出した最新の報告書では、1年前に比べて、心も体も健康状態が低下している可能性を指摘。子どもが周りの大人に相談できず、悩みやストレスをため込んでいる姿もうかがえた。 

「リストカットしてしまう」との声も

 成育医療研究センターは昨年4月から2、3カ月に1回、インターネットを通じて「コロナ×こどもアンケート」調査を実施。最新の5回目は第4波前の2~3月に行い、小学生から高校生まで501人と、高校生以下の子の保護者2690人から回答があった。

 1年間、継続して調査したのは心と体の健康。それぞれ「元気いっぱいだった?」「楽しかったし、たくさん笑った?」など過去1週間の状態を質問して評価した。回答者は毎回異なるため単純には比較できないが、昨年5月の調査時と比べて、体の健康は小、中、高校生の全年齢群で6~16ポイントほど低下し、心の健康も中、高校生群でやや低くなった。また、子どもの15%が、髪の毛を抜く、自分をたたくなど「自分の体を傷つける」と答えた。

 調査の中心となった同センターの小児科医、半谷(はんがい)まゆみさん(35)は、4月以降、東京や愛知など10都道府県に緊急事態宣言が出たことなどにより、「さらに状況が悪くなっている可能性がある」と指摘。自由記載には「何とかしたいけど何ともならずリストカットしてしまう」との声もあり、「親や先生など誰かに話すことで冷静になれる。他の手段でストレスを解消できることを知ってほしい」と訴える。

大人が意識してコミュニケーションを

 一方で、半谷さんが衝撃を受けたのが、半数の子どもが「先生や大人への話し掛けやすさがコロナの影響で減った」と答えたことだった。これまで「つらいときはSOSを発信して」と繰り返してきたが、そもそも発信しにくい現状があることが分かった。

 半谷さんは「コロナ禍で大人に余裕がなく、子どもが話し掛けたり相談したりすることを遠慮している。マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保も求められ、声を掛けにくいこともあるのでは」と分析。「たわいもないことでいいので、大人が意識して子どもとコミュニケーションの時間を取って」と強調する。

子どもが考えた、気持ちを楽にする工夫例
・誰かに話す、聞いてもらう
「安心できる人に話す」(小4男子)
「友達に愚痴る」(高1男子)
・書き出す
「いやなことを紙に殴り書き」(高3女子)
・動画を見る
「YouTubeを見る」(小1男子)
「TikTok」(高1女子)
・抱きしめる、甘える
「好きなぬいぐるみを抱っこする」(小1男子)
「お母さんとお兄ちゃんになつく」(小4男子)
※「第5回コロナ×子どもアンケート」から抜粋

みんなはどうやってストレス解消しているの?

 「どうやってみんながストレスを解消しているか知りたい」。そんな子どもたちの声を受けて、第5回アンケートでは、ストレスを感じたとき、どんなことをして気持ちを楽にしているかを自由回答で聞いた。絵を描いたり、音楽を聴いたり、好きな事に打ち込んだり。「コロナ×こども本部」のホームページでは、回答の一部を「こどもが考えた気持ちを楽にする23のくふう」としてまとめ紹介している。半谷さんは「親子で一緒に見て、興味を引かれたものを試してみて」と呼び掛ける。

子どもたちが回答した、その他の工夫

  • クッションに向かって叫ぶ(中1女子)
  • ゲームのマインクラフトをやる(小2女子)
  • ストレッチする(小4女子)
  • ライブや握手会の時など「推し」のことを考える(小5女子)
  • ヨガや瞑想をする(高1女子)
  • 泣いて発散する(中1女子)
  • 歯を見せて笑う表情をつくる(中1女子)
  • 空を見る(小5男子)
  • 自然の音を聞く(小2男子)

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