みんな違っていいんだよ 性教育の絵本「ゆめのかなうまち」 川崎市の市民団体が制作

竹谷直子 (2022年11月24日付 東京新聞朝刊)
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絵本をつくったセクソローグのメンバー=川崎市幸区で

 川崎市の市民団体が、子ども向けの性教育の絵本「ゆめのかなうまち」を作った。約1年かけて完成し、市内の全図書館にも配架される。「1人1人の違いを受け入れられる大人も子どもも増えることで、素直に夢を語ることができ、夢の実現に向けて努力できる子が増えてほしい」と願いを込める。

アイドルを夢見る男の子が主人公

 市民団体は「かわさき包括的セクシュアリティ教育ネットワークCsexologue(セクソローグ)」(略称・カワセク)で昨年3月に設立。川崎市に人権やジェンダー、性の多様性を含む包括的セクシュアリティ教育を根付かせることを目的としている。

 メンバーは市内在住の20~50代の11人。団体を設立してすぐに絵本の制作の話が持ち上がった。公益財団法人かわさき市民しきんの助成金を受けて完成させた。

 絵本は、ご当地アイドルの「川崎純情小町★」が大好きでアイドルを夢見る男の子が主人公。周囲から「へんだよ」と否定されるが、白いウエディングドレスを着て寄り添う2人や、車いすに乗って手品を披露する人など、さまざまな生き方に出会う。「自分らしさをみとめあえたら、だれかのことを『へん』って思うことがなくなるんだ」と気付き、周りも含めて徐々に考えが変わっていく。

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絵本の表紙=かわさき包括的セクシュアリティ教育ネットワークCsexologue(セクソローグ)提供

伝えたい「あなたには権利があるよ」

 「絵本づくりが川崎から広がってほしい」と話すのは、メンバーで助産師の「のん」さん(28)。川崎市が子どもの権利条令を全国で初めて制定したことに触れ、「嫌だと言える力、自分の思いを言える力が大切。あなたには権利があるよ、まずはあなたを大切にしようと言える絵本ができればと思った」と説明する。

 出合真友美さん(40)は「一人一人の違いを変ととらえるのではなく、その人の素晴らしいところとして伝えたい」、不破澄子さん(37)は「選択肢があって、みんなが生きたいように生きられる社会になるのに役立ってくれたらいいな」とそれぞれ思いを語った。

みんな特別な存在 合わせなくていい

 絵本のイラストを担当した田中知己さん(42)によると、絵には「みんながそれぞれ特別であってほしい」という気持ちが込められているという。編集を担った只隈辰宙(ただくまたつひろ)さん(34)は「周りと合わせるのはしんどい。合わせなくてもいいと思える子どもが一人でも増えれば」と話した。

 絵本は、年長児から小学校低学年までを対象とする。イベントなどで利用したい場合は、カワセクのウェブサイトの連絡フォームへ。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年11月24日

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