母子家庭で育つサッカー少年少女を支えたい 照明デザイナー石井幹子さんが創設 竹内悌三賞

加藤行平 (2018年12月23日付 東京新聞朝刊)
 照明デザイナーの石井幹子さん(80)が母子家庭の小学生を対象に創設したサッカーの作文コンテスト「竹内悌三賞」の授賞式が22日、東京都文京区の日本サッカー協会ビルで開かれた。優秀賞に愛知県豊田市の玉木花恵来(かえら)さん(10)=市立野見小4年=の「楽しくてむずかしいサッカー」が、佳作には国立市の尾崎太一君(9つ)=市立国立第一小3年=の「ぼくのほこりに思うお母さん」が選ばれた。
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「竹内悌三賞」で優秀賞を受賞した玉木花恵来さん(中央)と佳作の尾崎太一君(左から3人目)。右端が石井幹子さん=東京都文京区で

「サッカーをあきらめてほしくない」 父の名を冠した奨学金

 賞の名称となった竹内悌三さんは石井さんの父。1936年のベルリン五輪のサッカー日本代表の主将を務め、初戦で優勝候補とされたスウェーデンを3-2で破る快挙を収め、「ベルリンの奇跡」と称された。竹内さんは44年に応召され、旧満州(中国東北部)に出征。戦後シベリアに抑留され、46年に37歳で病死した。

 このため母子家庭で育った石井さんは同じ境遇の子供たちに、「サッカーをあきらめてほしくない」と、父の名を冠して奨学金を贈る賞を創設した。

国立市の尾﨑太一君 「いっぱい練習したい」

 玉木さんはサッカーJリーグ、名古屋グランパスのファン。受賞作では、地元のサッカーチームに入り、母由紀恵さん(43)からアドバイスを受けながら練習に取り組む日常を書いた。尾崎君は作品に「うまくできなくてくやしいときはいつもサッカーの話を聞いてくれた」などと母由紀さん(42)への思いをつづった。

 2人には日本サッカー協会の川淵三郎相談役から賞状などが贈られ、尾崎君は「うまくなれるよういっぱい練習したい」と喜んでいた。

 川淵さんは「作文から2人はお母さんが大好きなことがうかがえた」と語り、石井さんは「これからもサッカーを愛する少年少女を応援したい」と話した。 

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