〈奥山佳恵さんの子育て日記〉26・「ダメもと」で支えられ19年 私たちの大切な子は、みんなの子

(2021年11月12日付 東京新聞朝刊)
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奥山佳恵さんの子育て日記

「お迎えどうする?」の壁 夫婦だけでは

 子どもを育てて19年。この年数のおかげなのか、重ねてきた年齢によるものなのか、私には立派な「ダメもと精神」が備わった。ダメでもともと、人を頼って聞いてみる。これまでも何度もぶちあたってきた「お迎えはどうする?」などの壁。そのたびに痛切に感じた、私たち夫婦だけでは非力だという現実。この19年の子育ては、お友達の力あってのものだ。

 先日は、私の帰宅が次男の戻ってくる時間にギリギリ間に合わず困っていたところ、「サツマイモを届けたいけど何時がいい?」と連絡をくれたお友達に、ダメもとで聞いてみた。

 もしお友達による「サツマイモ便」の時間指定が可能なら、「マンションの入り口で下校してきた次男を迎え入れて、そのまま待ってて」と。次男は私が家にいないと不安になるかもしれないけれど、お友達が見守っていてくれたら助かる! サツマイモを届けてくれるだけでもありがたいのに、さらにお願いをする厚かましさに自分でも驚く。これが妙技「ダメもと」。かなえてくれてありがとう!

 学校から学童保育へ移動する際にお願いしているサポートの方の都合がつかず、夫婦ともに仕事でどうにもならなかった日も、ダメもとで聞いてみた。「学校にお迎えに行って、学童に連れて行ってくれないかなー」。お友達自身も仕事に行く前のタイミングだったのに「いいよ」と快諾してくれて助かった。

究極の「ダメもと」 3カ月のドラマ収録で

 私の中で究極だった「ダメもと」は、長男がまだ4歳で、名古屋で約3カ月間、ドラマを収録するというお仕事をいただいた時。絶対にやりたい。断るという選択肢はない。考えるのは、「どうしたらできるか」。実家の両親は共働きで頼れない。お願いした先は、マンションのお隣さん。ごあいさつする程度の仲でしたが、事情を話して助けてもらうことに! 

 平日は「夫が帰宅するまで、ご飯を食べさせてお風呂に入れて」とお願いした。週末は、保育園のママ友の家をパジャマ一つ持って渡り歩かせてもらった。ああ、本当に私たちの子育てはどれだけの人からお世話になって成立しているんだろう。

 「動物園に行こう」「キャンプしよう」。お友達から声をかけてもらったおかげで、子どもたちの世界は広がった。私たち夫婦だけじゃ思い至らなかった経験と景色の数々。私たちの大切な子は、みんなの子でもあると思っている。すみません、この先も大いに頼りにしています! (女優・タレント)

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