〈奥山佳恵さんの子育て日記〉23・障害があってもなくても一緒に遊んで…人類みな兄弟!

(2021年7月23日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

奥山佳恵さんの子育て日記

写真

遊びに来てくれた子どもたちの靴で埋め尽くされた玄関。怖いしうれしいし

玄関いっぱいの靴、靴、靴…

 ある金曜日のこと。小学校が四時間授業で、次男(みらい)の下校時間がいつもより早かったのです。下校を見守ってくれた夫から「とにかく早く帰ってきて」との電話。ただならぬ気配だ。いったい何事か、とドアを開けると…。

 狭い玄関にめいっぱい散らばった子どもたちの靴! 「な、なんじゃこりゃあ!」。家の奥から、奇声や笑い声など騒がしい声が聞こえてくる。いつもは別々で遊びにくるはずの男子も女子もいる。あり余るパワーと熱気で部屋が揺れているようだ。

 「い、いったいこの状況は?」。ぼうぜんとしていると、「後は任せた。仕事に行く」と夫。コラ逃げるなァ!

“歩く世界平和”のような次男

 どうやら、男子と女子の間の「中立国」である美良生が、「今日遊べる?」と聞いてくれた子全員に「OK!」と答えたのが原因らしい。そのうれしそうな顔といったら。

 みんなのことが大好きで、「歩く世界平和」のような存在の美良生。そう。人類みな兄弟だから。分け隔てがない、というか見境がない。うちの広さや収容人数を考慮してくれよ、なんて訴えは届くはずもなく…。数えると、次男を含めて十人。密度が濃すぎるので全員、公園に引き連れて行きました。

 ボール遊び、鬼ごっこ、かくれんぼ。誰かが歌えば大合唱。同級生でありながら頭いっこ分小さな美良生でも、大きな声でいっしょになって即興歌を歌っていました。

動画を見たママ友の感想は…

 その様子が面白かったので動画を子どもたちのママに送ったら、感想が返ってきた。「当たり前なんだけど、美良生くんはまんまごく普通の小4男子なんだね。みんなも気をつかって接してないね」「障がいがあるからと、分ける必要なんてなかったということを美良生くんが証明している」―。そんなふうに感じてくれて、ありがとう!

 いつもは対立しがちな男子と女子がいっしょに遊べるのは、美良生という中立な立場の存在がいたからだし、障がいがあってもなくても、同じように笑って遊びあえる光景は、まさに世界平和そのものだった。そう。人類みな兄弟。

 ただ、いっしょになって全力で遊ぶ私の体力がいつまで持続するかが不確定。うれしそうな次男の顔が見たいあまり、つい頑張ってしまう私だけれど、玄関のドアを開けるのは楽しみでもあり、また同時に恐怖でもあります(笑)。(女優・タレント)

あなたへのおすすめ

PageTopへ