〈奥山佳恵さんの子育て日記〉19・ダウン症の次男が一人暮らしするための、はじめの一歩

(2021年2月26日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

奥山佳恵さんの子育て日記

写真

さて、格安で買えたこの白菜をどう調理したらいいものか…

ムスカ大佐みたい「めが、めがー」

 昨日、ダウン症のある次男、美良生(みらい)(9つ)と一緒にお風呂に入りながら、ふと「そうだ、これも試しにやってもらおう」とシャンプーで髪を泡だて、シャワーで洗い流すという一連の動きを「一人で」チャレンジしてもらいました。

 初めてなので上手にできず、「めが、めがー」と「天空の城ラピュタ」で城を剥奪しそこねたムスカ大佐みたいに、目に入ってしまった泡と格闘する次男。これでいいのだ、小さなことからコツコツと。ダウン症のある子は「ゆっくり育っていく」のが特徴でもある。

 見た目が若く見える分、ついウッカリ、親である私たちが手を出してしまっていることに最近気がついた。「私は永遠、上履きを洗わなくちゃならないのかな」とお友達につぶやいたら、「自分でやらせてみな」と言われたことがキッカケ。「いずれ一人暮らしをしてもらいたいんでしょ?」。そうでした! 夢物語では終わらせない。はじめの一歩を意識しないと!

できなかったら誰かに頼ればいい

 次男がわが家にやってくるまでは「自立」とは自分の力で立つこと、という解釈しか持ち合わせていなかったけれど今は違う。立ちたくても立てない人もいる。何が何でも全部「自分で」自分のことをすることだけが自立じゃない。できないなら誰かに「お願い」したらいい。人は誰しも完璧な存在ではなく、完成形を目指すために生まれてきたわけじゃないのだから。「ならば何のために?」と、もし聞かれたら、「そりゃ、楽しむために決まってるー!」と小躍りしながら答えます。

 できなかったら頼ればいい。そのために、世の中には自分以外の人や物が存在している。かくいう私は、料理が致命的に下手です。主婦歴約20年。白菜ひと玉100円が格安だということは分かる。思わず買う。けれど、さてこれをどう調理したらいいのか。私に欠けている能力です。

 そんな私に寄り添ってくれるのが、お料理アプリ! 本当に助けてもらってる! 世の中にはできる人とできない人がいる。ふぞろいであることを利点にして、補い合っていけたらいいと思うのです。

 もちろん、「できた」が増えればその分生きやすくなるだろうから、どんなことでも一度はチャレンジしてもらいます。近々、次男が使いやすそうな「靴洗い」グッズを買いに行こう。もしできなくても大丈夫。協力するから! 私と次男以外の家族の皆さん、どうぞそのつもりで。 (女優・タレント)

すくすくボイス

この記事の感想をお聞かせください

いただいた投稿は、東京すくすくや東京新聞など、
中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

コメント

  • 匿名 より:

    厳しめコメントが多いですねぇ。障害があってもなくても、できることやできないことはみんなある。「人に迷惑かけちゃだめだ」「自分でやらなきゃ」ってみんな思い過ぎてる気がするな。できないこと苦手なことは助けてくれる人に頼る、助けた人もあったかい気持ちになって嬉しくなったりする、まわりまわって全部お互いさまで、人にも自分にも緩やかに優しくできる社会が、誰にとっても生きやすいかなって思います。

  • 匿名 より:

    時には周りの人に頼るのもアリですが、何度もだとちょっと面倒。
    成長ゆっくりでも根気よく教えてあげて1つでもできることを増やすことも大切です。

  • 匿名 より:

    私の友達にも障害を持った人がいるので良く分かります。おおらかな気持ちでやらせてみてゆっくりできていく、又できなかったら誰かが助けてあげる、周りに頼る事も素晴らしい事だと思います。応援したいです^ ^

  • 匿名 より:

    料理が苦手だからアプリに頼るのと、障害児が出来ないことは周りに頼れと言うのは、ぜんぜん意味合いが違うのでは?
    子育ては理屈ではないと思います。
    日々の小さな頑張りの積み重ねが大事なのでは?

  • 匿名 より:

    健常の子でも、スモールステップで少しずつ色んな事に挑戦して成長していくのに、行き当たりばったりすぎな気が…。
    思い付きで一度やってみて、出来なければまわりを頼ればいいというのは、ちょっと賛同出来なかったです。

あなたへのおすすめ

PageTopへ