センバツ出場校では遵守ゼロ 部活動時間の”上限”指針に「強化遅れる」と後ろ向き

原田遼 (2019年3月23日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 学校の運動部活動について、生徒の健康面を考慮し活動時間の上限などを定めたスポーツ庁の指針が策定されて1年。守られているかどうか、23日に開幕する選抜高校野球大会の出場32校を対象に本紙がアンケートしたところ、「平日2時間、週末3時間まで」などの規定を完全に順守している学校は1校もなかった。強化優先からなかなか抜け出せず、長時間の練習を続けている強豪校の実態が浮かび上がった。

週16時間以上はけがのリスク高まるが…

 指針は、元プロ野球選手らも含む有識者会議で検討され、昨年3月に策定。「週16時間以上練習すると、疲労骨折など明らかにけがのリスクが高まる」という海外の研究を踏まえ、1日の活動時間のほか、平日1日、週末1日以上の休養日や、オフシーズンを設けることなどを定めた。罰則はない。

 アンケートは匿名を条件に2月に実施し、27校から回答を得た。指針を踏まえて活動を見直したか尋ねたところ、15校は「変更なし」、12校が「一部を見直した」と答えた。

平日練習6時間→4時間に削減した学校も

 九州地区のある高校は、平日の練習を6時間から4時間に削減。近畿地区のある高校も週末の練習を10時間から7時間に減らした。休養日は4校が週ゼロ回だったのを、1回に増やした。ただ、見直し幅は小さく、削減後も平日4時間、週末8時間を課している高校もあった。

 その結果、27校の現在の活動の平均は、平日3.4時間、週末6.4時間。休養日は週に0.92日と1日に届かず、通常の休み以外のオフ日は年7.4日だった。

指導者は後ろ向き「強化が遅れる」

 指導者からは「強化が遅れる」「学校により事情が異なる」など指針に後ろ向きな意見が多かった。

 指針は国公私立を問わず中学と高校に適用される。サッカーや柔道など一部の競技団体では、この指針を基にした指導手引を策定するなど、順守を促している。日本高校野球連盟は指針に対する議論を行っておらず、「各都道府県に現状を聞いている段階」としている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年3月23日

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