叱る難しさ、「痛かった」結末 ダイヤルロックを解除できず〈古泉智浩さんの子育て日記〉67

(2026年1月14日付 東京新聞朝刊)
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物置に置かれた自転車

古泉智浩さんの子育て日記

ペナルティーで「自転車禁止」

 子どもが何か間違いや悪さをした際に叱る時は、感情に任せて怒るなど論外で、じっくり理由を話して聞かせる、そうすれば分かってもらえるというのが現在の主流です。

 しかし、それは、うちのような家でも通用することなのかと常に疑問を抱いています。じっくり話しても逆切れされて、ぎゃんぎゃん怒鳴り散らされて、へ理屈を大声で言い返されます。じっくり話せば分かってもらえるなどと、とても思えません。

 だいぶ前のことですが、小2のぽんこちゃんがお金のことでひどい悪さをして、強く叱りました。お友達にも関係していて、クッキーを買ってお友達のお宅に伺いました。要するに大ごとです。ぽんこちゃんも一緒に謝りました。そこまですると「ごめんなさい」と素直に謝ります。

 しかし、それではちょっと済まないような悪さがありました。どんなペナルティーが効き目があるのか考えに考えて自転車に乗ることを禁止しました。

 すると、お友達と遊びに行くこともできなくなり、効果はてきめんでした。自転車はチェーン式のダイヤルロックを100円均一の店で買って来て、掛けて物置にしまいました。

解禁しようとしたら…番号は?

 それから何日も悪さをすることがなかったので、自転車を解禁しました。ロックの番号を設定した妻にダイヤルロックの番号を聞くと「分からない」と言います。0~7までの3桁の数字です。妻はすっかり忘れていて、これではないかという番号をいくつか提案してくれたので試したけれど開きません。

 僕もありそうな、ぽんこちゃんの誕生日を踏まえた番号、自宅の住所に関連する番号、000から777までぞろ目の数字全部など試してみましたが、鍵は開きません。犯罪映画などでよく見る、でっかいニッパーみたいな器具でバチンと切ってしまってもいいのですが、そんな器具もありません。

 泣く泣く000から007、次に010から017というように全通り試すことにしました。777まで行く途中でそろってくれたらいいなと期待していましたが、なかなか開きません。500番台まで来ると、もしかして正解を出したのに開きが甘くて通り過ぎてしまったのではないかと疑念が生じます。

 物置は寒いし、子ども用の自転車は低くて変な姿勢で腰が痛くなるし、ダイヤルが硬くて指も痛い。そして、とうとう765で開きました。777から始めていればすぐでした。

古泉智浩(こいずみ・ともひろ)

 漫画家。養子の11歳男児うーちゃんと、8歳女児ぽんこちゃんを育てる。

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