毎朝、学校に行きたくないぽんこちゃんだけど…〈古泉智浩さんの子育て日記〉68

(2026年2月25日付 東京新聞朝刊)
写真

登校するぽんこちゃん

古泉智浩さんの子育て日記

なだめて共感を伝える 

 小2のぽんこちゃんは毎朝不機嫌です。

 「だってさー、今日、体育あるし、算数もあるし、6限まであるから最悪」

 なにが「だって」なのか脈絡は不明で、このように言い出すのですが「学校行きたくない」を省略しているようです。

 大前提としてまず学校には行きたくない。間違っても「体育楽しいじゃん。体動かすと気持ちいいでしょ」などと反論しないようにしています。「楽しくない! 大っ嫌い」などとブチ切れられて大騒ぎになってしまうからです。

 「そうだよね、大変だよね」

 「学校行きたくない」

 「そうだね。わかるわかる」

 本格的に学校に行きたくないと言い出したら大変なので、朝はとにかくなだめることに徹して共感を伝えます。実際、毎日学校に通うのも大変だと思うのです。

 「靴がない。取ってきて」

食いしん坊でよかった

 反対の入り口に脱ぎ捨てているから玄関に靴がないのです。偉そうな言い方で女王様?などと思うのですが「はいはい、今取ってくるから待っててね」とダッシュします。

 この日はそんな調子で特にグズりがひどくて支度が遅れて集団登校に遅刻したため、みんな先に行ってしまいました。学校まで僕が一緒に歩いて送ることにしました。歩きながらずっと「学校行きたくない。体育やだしー、6限もあるしー」と繰り返しています。

 「でもさ、楽しいこともあるでしょ。休み時間とかお友達と遊んだりしてさ」

 「休み時間大っ嫌い」

 「給食は?」

 「給食大っ嫌い」

 食いしん坊のぽんこちゃんがそんなわけないだろうと思ったので「デザートはないの?」と聞いてみました。

 「あるけどさー」

 「昨日の給食のデザートは何だった?」

 「昨日? 昨日はセレクトでー」

 「セレクトって?」

 「プリンタルトとクレープとゼリーから一つ選んでー」

 「何選んだの?」

 「プリンタルト!」

 「おいしかった?」

 「うん!」

 「お休みの人の分も食べたんじゃないの?」

 「食べてないよ~」

 デザートの話をしているうちにどんどんうれしそうな顔になって、学校に着く頃にはニコニコしていました。食いしん坊でよかった。ぽんこちゃんは毎朝このようにいったんはグズるものの本格的に学校を拒否したことは一度もなく、なんだかんだ言いながらもしっかり登校してくれています。

古泉智弘(こいずみ・ともひろ)

 漫画家。養子の11歳男児うーちゃんと、8歳女児ぽんこちゃんを育てる。

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