千葉・印西市に新たな児相 子どもが過ごす一時保護所は完全個室に 熊谷知事「幸せを実感しながら成長できる社会に」

長屋文太 (2026年4月1日付 東京新聞朝刊)
 千葉県内9カ所目の児童相談所「印旛児童相談所」が20日、印西市牧の原に開設される。子どもたちが過ごす一時保護所は完全個室になり、職員の休憩スペースも充実させた。県は、児相に入所する子どもの定員超過の解消に向け、施設整備と職員確保を進めている。
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20日に開設される印旛児童相談所=いずれも印西市牧の原で

リビングには漫画、運動場や中庭も

 印旛児相は、これまで中央児相(千葉市稲毛区)の担当だった成田、佐倉、四街道、八街、印西、白井、富里各市と酒々井、栄両町を管轄にする。鉄筋コンクリート造り2階建てで、1階が一時保護所で2階が児童相談所。延べ床面積は4847平方メートル。整備費は約42億円。

 一時保護所の定員は34人。広さ12平方メートルの個室、漫画やテレビなどがあるリビング、教師の授業を受けられる学習室、60人が着席できる食堂などがある。球技が楽しめる運動場や、開放的な中庭もある。夜勤中の職員のため、仮眠を取れる宿直室もある。

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一時保護所で子どもが滞在する個室

 児童相談所は、さまざまな関係者が面談する面接室が12室ある。児童心理司が児童の心理検査をする部屋や、遊具で遊ぶ子どもたちの様子を観察し、心理療法に生かすための部屋なども備える。

 最大約120人の職員が働く執務室は、固定席がないフリーアドレス制。ウェブ会議ブースや、半個室のような作業スペースもある。更衣室や和室の休憩室も設け、リラックスできる雰囲気にこだわった。

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職員の執務室の一角に設けられたウェブ会議ができるスピーカーブース

 内覧会と開所式が3月25日にあり、熊谷俊人知事は「未来を担う子どもたちが社会の一員として尊重され、虐待などのつらく悲しい思いをすることなく、幸せを実感しながら成長できる社会の実現に、全力で取り組む」とあいさつした。

定員超過が課題だった県の児相

 県内の児相の新設は、2007年の東上総児相(茂原市)以来、19年ぶり。虐待や疑わしい事案への対応を強めるためで、県は秋ごろ、松戸市にも児相を開設する。いずれも中核市の船橋市と柏市も、それぞれ独自の児相を26年度中に開く予定。県内の児相は現在の8カ所から12カ所に増える。

 現8カ所のうち、2カ所は千葉市が運営。県が運営する6児相の一時保護所の定員数は計171人。一方、2月1日現在、入所している子どもは269人おり、定員超過が課題だった。

 県によると、印旛と松戸の開設に加え、別の2カ所を27年度までに建て替えることで、定員は計233人に増える。さらに船橋、柏がそれぞれ開設する児相の定員計56人を加えると、定員は計290人になる。

 県は、職員の業務負担を軽減し、採用も強化。19年時点で425人だった児相職員数は760人に増えた。若手職員が増えているため、研修を充実させたり、情報通信技術(ICT)の導入による業務効率化を進めたりしている。

 採用対策は、26年度から大学3年生の秋に受けられる採用試験を始める。職員が学生時代に借りた奨学金の返済について、半額を県が肩代わりする制度も設けた。オンラインの業務説明会や大学訪問などで人材の確保を図っている。

元記事:東京新聞デジタル 2026年4月1日

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