小金井市の保育園廃園の取り消し求め提訴 園児の母親「前市長の専決処分は違法」
岡本太 (2022年12月14日付 東京新聞朝刊)
東京都小金井市の市立保育園2園を廃園にする条例改正を巡り、西岡真一郎前市長が市議会の議決を経ない専決処分で決めたのは違法だとして、廃園対象となった保育園に子どもを入園させたいと希望する同市の女性(29)が13日、市を相手に処分の取り消しなどを求める訴えを東京地裁に起こした。
ゼロ歳児の募集停止 職場復帰できない
訴状などによると、原告の女性は長男(2つ)が現在、廃園対象の保育園に在籍している。来年4月、ゼロ歳の次男を同じ保育園に入園させようと考えていたが、前市長の専決処分による条例改正で来年度のゼロ歳児の募集が停止され、「このままでは職場復帰ができず、退職を免れない」としている。原告側は、専決処分が認められるのは災害など例外的な場合に限られると指摘。今回の処分は地方自治法が定める専決処分の要件を欠き、違法だと主張している。
原告の女性は提訴後、代理人弁護士とともに都内で記者会見し、「廃園問題がずっと頭の片隅にあり、子どもとの時間も楽しめない。一日でも早く解決してほしい」と話した。
小金井市は「訴状を見ておらずコメントできないが、適切に対応していきたい」としている。
新市長は「専決処分前に戻す」と言うが
小金井市は昨年7月、市立保育園5園のうち3園を廃園にする方針を決定。前市長は今年9月、うち2園を先行して廃園にする条例改正案を市議会に提出。議会は継続審議としたが、前市長は専決処分で条例を改正した。議会が10月、専決処分を不承認としたことを受けて前市長は辞職。11月の市長選には出馬せず、元市議の白井亨氏が当選した。
ただ、専決処分は有効のままで、白井市長は「条例を専決処分前の状態に戻す」としているが、時期は明言していない。
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