電動アシスト自転車のバッテリー盗難に注意 施錠しても被害、都内で多発 狙われる深夜の集合住宅…防止策は?
都内で多発 記者の家庭も被害
電動アシスト自転車に使われているバッテリーの盗難が東京都内で多発している。警視庁によると、今年は6月までに207件が確認され、過去最悪ペース。記者の妻(35)も被害にあった。家に帰ったらバッテリーは取り外して部屋で保管するなど対策を心がけた方がよさそうだ。
「あなたも?」集合住宅の駐輪場で…
「自転車のバッテリーが盗まれたかも」。6月下旬の平日朝、妻から仕事中の私にLINEのメッセージが届いた。
息子を保育園に送ろうと自転車に乗ったが、いつものように加速しない。サドルの下をのぞくとバッテリーがなかった。バッテリーは重さが約2kgある。走行中に落下したのであれば気づかないわけがない。
自宅は北区の集合住宅。駐輪場に戻った妻は、住人の一人から「もしかしてあなたも盗まれましたか?」と声をかけられた。周辺には何人もの警察官や住人が集まっていた。どうやら、この駐輪場は窃盗犯のターゲットになっていたようだ。
ネットで転売か オークションに多数
駐輪場は住人に限らず誰でも出入りできる。妻は、現場にいた赤羽署の警察官から「盗まれたバッテリーはインターネットで転売されるケースがほとんど。おそらく戻ってこないですよ」と告げられた。
オークションサイトには多くのバッテリーが「中古品」として数千円から1万円台で出品されている。自転車メーカーによると、一般的にバッテリーの寿命は3~5年で、買い替えには3万~5万円かかるという。
上半期だけで207件 過去最多ペース
警視庁によると、電動アシスト自転車のバッテリーの盗難被害は2016年は69件だったが、2018年は116件、2019年は211件に増え、2021年は過去最多の314件。昨年は234件だったが、今年は年400件ペースで推移している。
今年の上半期に確認された207件の盗難のうち、111件は施錠していたのに被害に遭った。中高層住宅の駐輪場が102件と半数を占め、一戸建て住宅に止めていた自転車のバッテリーも49件が被害に遭った。
警視庁の担当者は「集合住宅の駐輪場は、誰でも自由に出入りできるタイプも多い。人目に付きにくい深夜帯が狙われるケースがほとんどだ」と説明する。
面倒でも、持ち帰るか二重ロックを
バッテリーを車体に固定する鍵は、工具を使えば短時間で壊せるという。妻の自転車も鍵穴が壊された。
担当者は「自転車を使った後は、バッテリーを外して自宅に持ち帰るか、ワイヤ錠を付けて二重ロックにするなどしてほしい。面倒かもしれませんが…」と話した。
電動アシスト自転車とは
ペダルを踏み込む際に電動モーターの補助により前に進みやすくする自転車で、坂道や長距離でも楽に運転できる。国内販売は1993年に開始。子育て世代が主な利用者層とされる。経済産業省によると、販売台数は右肩上がりで推移し、昨年は過去最多の約79万台。自転車全体の約半数を占めた。
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