小学生がハローワークと学ぶ「世の中にはたくさんの仕事がある。何をしてみたい?」 群馬で全国でも珍しい体験学習
羽物一隆 (2023年11月2日付 東京新聞朝刊)
ハローワーク群馬富岡(富岡市)が、甘楽町教育委員会と連携して、小学生向けに職業について考える体験学習を行っている。これまでは早くても中学生が対象だったが、仕事の多様化が進む中、より早い時期から職業観を養おうと始めた。小学生対象の学習プログラムは全国でも珍しいという。
気になる職業を選びタイプ別診断
「やってみたいと思う職業のカードを10枚選んでください」
町立新屋小学校の5年生21人が30枚のカードから選び始めた。絵が好きな荒木梨花さんはイラストレーターに加えて客室乗務員などを選択。「お客さんのことを考える仕事もいいなと思った」。岡部聖将(まさき)さんは「消防士や電車運転士がいい」とカードを仕分けた。
カードは「研究的」「社会的」など6つのタイプに分類がされており、どの分類のカードを多く選んだかで、自分がどのような仕事に興味があるかが分かる仕組み。当てはまっているかを聞かれ、半数以上の児童が肯定の手を挙げた。
米国のキャリア相談の手法を応用
米国を中心にキャリア相談で使われる手法で、国内でも労働政策研究・研修機構が「オービィカード」の名で紹介している。群馬労働局はこのカードを原案に、群馬県内ハローワークの公式キャラクター「ハロまる」のイラストで小学生に親しみやすいように工夫した。体験学習は3月から始め、新屋小が3回目になる。
体験学習では職業が約1万8000種あること、それぞれの仕事が支え合って世の中が成り立っていることなども説明された。児童に将来の夢を語ってもらう機会では宇宙飛行士やサッカー選手が目立っていたというが、担任の小林佐恵子教諭は「子どもたちが身近にたくさんの仕事があることを知る機会になったと思う」と感想を述べた。
群馬労働局は「少子化で若年求職者が減る中で、ハローワークに親しみを持ってもらう目的もある。小学生向けの取り組みを県内外に広げていきたい」としている。
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