〈奥山佳恵さんの子育て日記〉37・次男が叫んだ「また来年も遊んでくれる?」

(2022年12月23日付 東京新聞朝刊)
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シーツまで男の子たちにはがされ散らかった寝室。どうぞ思う存分、遊んでください!

奥山佳恵さんの子育て日記

ダウン症のある次男 お友達を楽しみに

 今日は遊びに来てくれた。ダウン症のある次男のクラスメートのお友達のみんな。恐らく、テキトーな約束をし合っている小学5年生の男の子同士の集い。次男の一方的な願望だったのか、「今日は来るよ!」と言っていたけれど、来なかった日もあった。下校後、ドアを開けるなり歓喜の声を上げて報告してくれた次男の姿を見ているだけに、そういう時はつらい。

 「こうしてだんだん距離が開いていくのかな」。定型発達のお友達と遊ぶことに限界が来ているのかもしれないと、夫とションボリ語らうことも増えていた。けれど、それは仕方がないこと、自然なこと。子どもたちの心を操作することなんてできないのだから。なので、今日も帰ってくるなり「来るってさ!」と告げた次男に、「お友達の都合だってあるんだからね」と早々のフォローを入れていた。それだけに、約束通り呼び鈴が鳴り、男の子たちがドカドカとやって来てくれた時は本当にうれしかった。

 何をして遊んでいるんだか…。寝室からは何かを投げ合う音や笑い声、叫び声。いい思い出、となる日。みんなは忘れていっちゃう普通の一日かもしれないけれど、私はしっかり覚えていなくちゃとドアの前に立ち、小5の男の子たちの「雄たけび」を聞きつつ、思っていた。次男とお友達はこれからゆっくり、確実に、別々の道を進んでいくことを知っているから。

 頃合いを見て、子どもたちが大騒ぎしている現場へ踏み込み、「現状復旧ー!」と声をかける。グッチャグチャにとっ散らかった物を、みんなで片付けるのはそれなりに労力がいりますが(笑)。

10年後の成人式 みんなと再会したら…

 10歳上の長男は来年の1月、ついに成人式を迎える。次男の成人式は10年後。これまで一緒に遊んだ数年があったおかげで、10年後に再会した時もきっと、みんなとお友達でいられるはず。小さい次男の周りを大きく成長したお友達が囲ってくれる光景が見たい。みんなでハイタッチしている姿が見たい。だからこそ、私は頑張れる。

 帰り際、次男がお友達に向かって叫んでいた。「また来年も遊んでくれる?」。返事は「いいよ、来年なんてすぐだよ」。

 10年後だって、きっと「すぐ」だよ。いつまで遊べるかは分からないけれど、1日でも1分でも長く、一緒に遊んで、思い出を刻んで。遊びに来てくれてありがとう。寝室、みんなで思いっきり、グッチャグチャにしちゃえ! (俳優・タレント)

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なるほど!

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グッときた

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もやもや...

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もっと
知りたい

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