〈奥山佳恵さんの子育て日記〉35・「障がいがあるから?」子どもの真っすぐな質問に直面して

(2022年10月14日付 東京新聞朝刊)
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友達に挟まれた美良生。子どもたちの素直さにいつも学ばされています

奥山佳恵さんの子育て日記

突然の言葉に、全員が固まった

 「障がいがあるから使ってるの?」。次男の美良生(みらい)に赤ちゃんが使うようなエプロンを着けていると、向かい側に座る美良生のお友達から質問が飛んできた。気兼ねのないお友達家族との食事の席。たわいないおしゃべりの最中に突然投げられた「障がい」という言葉は、まさに「飛んできた」ようだった。思わぬボールに全員が固まる。発言したお友達のお母さんは「障がいなんて言葉をうちの子はどうして使ったのかしら」と気後れしただろうか。私の夫はフリーズし、数百年ほどにも感じた数秒後、やっと私は「そうだよ」と答えた。その後、「最近はこぼさなくなってきたけどね」と、聞かれてもいないフォローまで付けて。

 どうして私たち大人は「障がい」という言葉に敏感なのだろうか。よく考えたら何の変哲もない質問なのに。わが家の場合は多分、日ごろから次男を障がいのある子だと思って育てていないからかもしれない。現実逃避しているわけではない。私の目には次男が、毎日を全力でただ楽しむために生きている子としか映っていないから。わがままも言う。かんしゃくを起こし泣きもする。けれど一日の大半は笑顔で過ごしている、素直な一人の男の子だ。

「クラスの一員」としての証し

 お汁を飲む時に高確率でこぼすからエプロンを使う。それは、視力が低下してきたから眼鏡という便利なアイテムを使う感覚と同じ。もし眼鏡がない世の中だったら、視力が低い人はもれなく障がい者ということになる。そう考えるとこの「障がい」という言葉にビクつく必要はないのだ。とはいえ、11年も障がい児の親を務めている私たち夫婦ですら、このように、いまだに動揺しちゃいますが…。

 先日、家に遊びに来てくれたクラスメートのお友達はカレンダーに「美良生11歳のお誕生日」と書いてあるのを見て、「え、僕と同い年?」と叫んだ後、同級生の体格の小ささに改めて驚愕(きょうがく)した様子で、「美良生君は僕たちみたいに大きくなるの?」とこっそり聞いてきた。「なるかもよ、大人になったら背を抜かされちゃったりしてー」という私の言葉に反応してくれないほど、驚いていた。「いやいや、同じクラスなんだから同い年に決まってるじゃないか」と笑ったけれど、背が小さくてみんなと同じことができなくても、あるがままの次男をクラスの一員として接してくれていた証しだとも思った。障がいのある子もない子も、純粋さはみんな同じ。これからもその真っすぐさで、私たち大人をご指導ください! (俳優・タレント)

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グッときた

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