〈奥山佳恵さんの子育て日記〉33・プールで子どもたちだけで遊ぶって、なんと感動的なの

(2022年7月29日付 東京新聞朝刊)
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ここは小学校かと思うほど同級生たちが集まった市民プール

奥山佳恵さんの子育て日記

「家族だけで楽しむもの」だったけれど

 コロナ禍で中止が続き、3年もの長い間、じっと待っていた市民プール。在住する市で今年、満を持して開かれることとなり大喜びしました。私が!

 本格始動の前のプレオープンは誰でも無料で入れる特別な日。私と次男・美良生(みらい)もはやる気持ちではりきってお出かけ! すると、プール内で会うわ会うわの次男の同級生たち。男子も女子もみんないる! ここは美良生が通っている小学校のプールですか?

 私がこれまで持っていた「子どもとプール」の認識は、長男の時からずっと「家族だけで楽しむもの」だった。プールサイドの敷物の上も家族だけの空間。それはそれでとても楽しい。むしろそれ以外の遊ぶ方法はないと思っていた。

無邪気に遊べば遊ぶほど泣きそうになる

 けれど違った。その日私が見たのは初めてのプールの光景。「美良生、次は流れるプールに行こう」「その次は波のプールだ」。次から次へと出会うお友達に「わかった!」とうれしそうに答える美良生。まだ泳げないし、足もつかないのにどんどん入水してしまうので、私もあわてて後を追う。子どもだけにしてあげられないのは申し訳ないけれど、大丈夫。美良生の目に私なんて入っちゃいない。そこに映りこんでいるのはキラキラと輝くお友達の顔だ。

 それは、これまで体験したことがなかった「お友達といっしょのプール」だった。子どもたちだけで遊ぶ子どもたちの顔って、こんなにまぶしいものなんだ! 美良生のフォロー役としてこの場に居合わせることができたから見ることができた、私ったらなんてツイてるお母さん!

 プールで、子どもたちだけで遊ぶって、その仲間に美良生も入れてもらうことができるなんて、なんと感動的なんだろう。みんなが無邪気に遊べば遊ぶほど泣きそうになるプールだった。これもずっと、みんなと同じ場所で過ごしてきた時間のおかげだと思った。みんなありがとう! 初めてのプールの光景をありがとう!

 うれしくって全力で、5年生と同じように遊んだ。そしたらすっかり日に焼けて、翌日会ったマネジャーさんにとてもビックリされてしまいましたが。この肌色は現在、地域の小学5年生と同色です。タレント、俳優としての自覚がない日焼けで申し訳ありません! (女優・タレント)

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なるほど!

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グッときた

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もやもや...

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