〈坂本美雨さんの子育て日記〉96・声を上げ続けられる社会を守り続けなければ

(2026年4月24日付 東京新聞朝刊)
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娘に見守られ、雨の中、登壇を待つ

 坂本美雨さんの子育て日記

憲法改正反対デモに子連れ参加

 憲法改正に反対するデモが毎週のように全国で行われるようになった。子連れ参加も多く、ペンライトが輝き、旗、電光掲示板など表現はさまざまだ。ペンライトは韓国で“消えない光”、つまり屈しない思いの象徴。平和でなければ推しを自由に推すこともできない、と若者たちがペンライトを持ってデモに集まり、広がった。

 また、最近は個性的なのぼりも目を引く。「猫のひげを拾い集める護憲市民の会」「散歩中の犬をニコニコ眺める友の会」…など、平和的デモだと強調する、なんて粋な表現!

 3月に友人からデモでのスピーチに誘われた時、すでに予定も入っており、自分が大勢の前で言えることがあるのか?と迷っていた。 だけど、今私たちは日常が危ぶまれている時。予定を動かしても行くべき時だとの心の声に従って、行くよと答えた。当日はあいにくの冷たい雨。娘の習い事の後に急いで国会前に向かうと、駅からすでにびっしり人で埋め尽くされていた。

 殺したくないし殺されたくない、当たり前のことだけれど、そんな当たり前が脅かされている今、一人一人が力の限りに言わなくては、と正直な気持ちを話し、緊張の登壇を雨にぬれながら娘もそばで見守ってくれた。その日は現地で約2万4000人、オンラインで7万人が参加。それ以降も全国でのデモは人数が膨らみ続けている。

彼女は自分で考え続けてくれる

 先日仲間が、子どもにデモへの抵抗が出てきたとSNSに書いていた。その心境もとても理解できる。娘の本心が気になり、「デモって、疲れてる時とか恥ずかしい時もあると思うんだけど、どう?」と、母親の期待に応えようと思わないように、なるべく素っ気なく聞いた。うーん、まあ…と言葉を探しながら、「デモって、行きたい人もいるけど行けない人もいるわけでしょ。だからさ…行けるっていうのはいい経験っていうか」と言った娘。

 いい経験、なんて大人っぽい言い方にびっくりしながら、「デモで大人たちが話してること、正しいって思う?」と試しに聞いてみると、「正しいとかってよくわかんないけど…何かいいふうにしたいって言えることがいいと思う」という答え。良くしたいと発言できる場があることがいい、という意味の返答に、ホッとした。

 声を上げる人たちの姿を見ながら、きっと彼女は自分で考え続けてくれる。そして彼女たちが声を上げ続けられる社会を守り続けなければ、と強く思う。

坂本美雨(さかもと・みう)

 ミュージシャン。2015年生まれの長女を育てる。SNSでも娘との暮らしをつづる。

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  • っーちゃん says:

    なまこちゃんが自分で考え、感じることを最大限に尊重していること。すごいなと思いました。

    子育てでいちばん難しいのが、子どもは他者であると位置づけること。私も何度も「この人は別の人間」と自分に言い聞かせましたが、自分の意見を押しつけてしまった経験が何度もあります。どう考えても、どう感じてもいいよ。でも私はこう思うよ、とお互いの考えを提示し合えることこそが素晴らしいのだと思います。

    美雨さんの行動、確実に私にも希望をもたらしてくれています。何が大切なのか、私も言い続けたいです。

    っーちゃん 女性 60代

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