男性職員の育休取得率が11年連続100%の市役所があった 茨城・龍ケ崎市 入庁1年目でも「当たり前」、民間から転職志望も

佐野周平 (2026年4月16日付 東京新聞朝刊)
 茨城県・龍ケ崎市役所に勤める男性職員の2025年度の育児休業取得率が、100%を達成した。11年連続で100%となり、全国でもトップクラスの取得率という。まだ育休が普及していない時代から地道な呼びかけを続け、今では「育休を取るのが当たり前」という雰囲気が醸成されている。
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男性職員の育休取得が普及している龍ケ崎市=龍ケ崎市役所で

座談会やメンター制度でコツコツ

 龍ケ崎市はワークライフバランスの充実などを目的に、男性職員が育児への理解を深める座談会を開いたり、育休取得者に相談できる「育休メンター制度」を創設したりして、育休を取りやすい雰囲気づくりを進めてきた。男性職員が初めて育休を取得したのは、2010年度。2015年度からは取得率100%が続いている。

 今でこそ、該当職員が自ら取得を申し出るようになったが、かつてはそんな空気はなかった。職員に子どもが生まれたと知ると、人事担当者が該当職員や所属長に育休制度を紹介し、取得を働きかけていたという。地道な努力で職場の意識改革も進み、2025年度は7人が取得。平均取得日数は約42日間で、2015年度に比べて4倍強に伸びている。

欠員補充などの体制をさらに充実

 育休を取る際、多くの職員が懸念するのが、同僚職員にしわ寄せが及ぶことだ。これまでは部署内の人繰りでカバーしてきたが、2025年度には5カ月間と長期育休を取った職員もおり、その間は、別の職員で欠員を補充する措置を初めて取った。担当者は「より本人の希望に沿った時期や日数で取得できるような環境を整えることが今後の課題」と、さらなる充実を目指す。

 2025年度は、働き方改革などを盛り込んだ「特定事業主行動計画」を改訂。「対象の男性職員全員が2週間以上取得」を目標に掲げ、育休のカバー体制を組織として整備する決意を明記した。

思わぬ効果…転職先の志望度UP

 市を挙げての取り組みからは、思わぬ効果も生まれた。全国的に労働力不足が課題となる中、市役所に転職した若手職員もいる。2024年4月に民間企業から転職した巽琢磨さん(31)は「子育てしやすい職場環境を重視していたので、龍ケ崎市役所は育休が普及していると知り、志望度が上がった」と語る。

 転職前に第1子が生まれた際には、育休を取りたくても取れなかった。2024年10月に第2子が生まれると、まだ入庁から間もない時期だけに、育休の話を言い出しづらかったが、上司の方から「育休はいつ取る?」と切り出してくれたという。

 巽さんは「入庁1年目で当たり前のように育休を取れたことに驚いたし、とてもありがたかった」。日ごろから部署内で情報共有を密にし、職員に空きが出てもカバーし合える体制が整っていると感じている。

元記事:東京新聞デジタル 2026年4月16日

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