〈中倉彰子さんの子育て日記〉18・夏休みの挑戦

(2013年7月26日付 東京新聞朝刊)

中倉彰子さんの子育て日記

 先日、友人の家に子ども3人を連れて「お泊まり」に行きました。夜は花火、翌日はお庭でのプール遊びや土手での段ボール滑りなど、思いっきり休日を楽しみました。と、そこまではよかったのですが…。 

 帰りの時間がちょうど、普段の昼寝の時間帯と重なってしまったのです。友人の家から最寄り駅までの道。末っ子のシン(3つ)はぐっすり寝てしまい、おんぶ。次女のマキ(4つ)もフラフラで、道端で寝そうな勢いです。

子ども将棋合宿へ

 そんな中、唯一の救いが長女のマイ(7つ)。「疲れたー」と言いながらも、大きなリュックを背負い、マキのリュックも持って頑張って歩きました。

 最近のマイは、弟と外を歩く時に、「車が来るから走らないよ」と言って手をつなぐなど、日ごろの振る舞いにも少し、頼もしさが感じられるようになりました。

 そこで、今年の夏休みには、私が講師を務める静岡県のお寺での子ども将棋合宿「浜松錬成塾」に、思い切ってマイを参加させることに。

 マイは80人近い子どもたちと一緒に、お寺に2泊します。将棋の時間には、私も講師として多少は様子を見ることができますが、お風呂や寝る場所は別々。マイには「3日間はママでなく、先生だからね。困ったことがあったら、お世話役のお姉さんに相談しなさいね」と伝えています。

 マイはさすがに心細い様子で、「髪の毛はどうやって結ぶの?」「ドライヤーで髪を乾かすのは?」と、普段は私にやってもらっていることを一人でできるかどうか気にしています。

心配は尽きないけれど

 私も、寝る前にちゃんとトイレに行けるかしら、ご飯は静かに食べられるかしら…などなど、心配は尽きません。

 それでも、お寺で座禅や食事などの作法を学んだり、掃除や草むしりをしたりと、知らない子どもたちと過ごす体験は、普段の生活との違いを知る良い機会。食事は配膳から子どもたちが準備します。「ママ、おなかすいた~」と言うだけでは、お寺では何も出てきませんからねー(笑)。

 マイが合宿で何かを感じて、成長してくれたら良いなと思います。私も子どもたちに将棋の楽しさを味わってもらえるように、しっかり準備をして臨みたいと思います。(プロ棋士)

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