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〈古泉智浩さんの子育て日記〉5・食卓のハエに大騒ぎ 怖がりの息子、どっしりした娘

  (2019年7月19日付 東京新聞朝刊)

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親戚の展覧会を見に行った美術館の通路で。大騒ぎして困りました

空手道場に通わせたけれど

 悲しいことですが、この世界にはいじめや理不尽な暴力が存在します。そんな圧力に屈しない強さを養ってほしいと思って、養子のうーちゃんが3歳の時に空手道場に通わせました。しかし、全く練習に参加せず、好きに遊びまわって頑張っている子の邪魔になるばかり。そのうち行くのをやめてしまいました。その結果というわけでもないのですが、5歳になってもいまだにすごく弱虫です。

 夕食の時、食卓の反対側の端に小さなハエがとまっていました。見つけたうーちゃんが「スプレーして! スプレーして! やっつけてよー!」と悲鳴を上げました。ずっと騒いでいて食事になりません。道路にセミの死骸が落ちていてもそこから先に行けないくらいで、単に虫嫌いというより本当に怖いようなのです。うーちゃんが言うスプレーとは殺虫剤のことです。

おばあちゃんが窓から追い出し落着

 「うーちゃん、スプレーには毒が入っているから食事の最中には使えないよ。スプレーが流れてきてご飯にかかったら食べられなくなるよ」

 「毒?」。うーちゃんの顔が曇りました。毒という言葉が怖くなったようです。

 「そうだよ、スプレーには虫を殺す毒が入っているから、虫が死ぬんだよ」

 「人間には効かない毒だよね」

 「人間にも効くよ。虫は死ぬけど、人間は具合が悪くなっちゃうよ」

 ママも虫が苦手です。僕は蚊やハエは困りますが、アリやガなど害のない虫は同じ地球に暮らす仲間だと思っています。そんなやりとりを見ていたおばあちゃんが、ハエを窓から追い出してようやく食卓は落ち着きました。

独立心強い1歳児 父の期待は…

 その間、1歳の里子のぽんこちゃんは黙々と食事をしていました。最近は、スプーンなどで大人がご飯を口に運んであげると「やめて、なんでそんなことするの!」と言わんばかりに拒否して、スプーンを手ではねのけてしまいます。大人に食べさせてもらいたがる兄のうーちゃんとは対照的です。

 ぽんこちゃんは、シャワーでの洗髪からも歯磨きからも逃げます。服を着せようとしても逃げますが、「自分ではいてごらん」とズボンをかざすと、寄ってきて自分ではこうとします。しかし、まだうまくはけず、片足の方に両足を突っ込んで人魚のようになってしまいます。こんな独立心の強いぽんこちゃんは、きっと空手を習ってくれるのではないでしょうか。(漫画家)