〈中倉彰子さんの子育て日記〉6・娘とカフェ将棋

(2012年5月11日付 東京新聞朝刊)

中倉彰子さんの子育て日記

 今月、子ども向けの将棋の盤駒『はじめてのしょうぎセット』が発売されます。ウッディプッティという、木製のおもちゃや子ども向けの家具を製造している会社と、日本女子プロ将棋協会(LPSA)がコラボで作りました。

 以前からこの会社の木のおもちゃが好きで、ぬくもりのある木で将棋の駒が作れたらいいなあ、と思っていました。

 そして、1年半ほど前、思い切って社長さんにメールを出してみました。すると、すぐにお返事が。「今までにない味のある盤や駒の開発をしましょう」。本当にうれしいメールでした。

「はじめてのしょうぎセット」製作

 初めての盤駒製作はドキドキワクワクの連続でした。行き詰まることもありましたが、「よい商品を作って、息の長い商品に育てていきたいですね。子育てのように」と、社長さんから時折、メールを頂いたのが、励みになりました。

 試作の段階では、もちろん、わが家の子どもたちも協力。

 「この駒を並べてみて」「何々? わぁ、かわいい~」

 最初、子どもたちは興味津々。

 「この駒、動かして」「もう1回並べてみて」。つい、あれこれ試すことに熱が入ると、「飽きたよ~。ママが1人でやって」。

旅先でも指す

 さて、旅行先では、完成した将棋盤駒を出して、カフェにてパチリ。

 「なんで外で将棋なの?」

 「昔は縁台将棋といって、外でも将棋を指していたの。これからの流行は、おしゃれにカフェで将棋なのよ」

 旅行先では、「静かにしなさい!」「走らないの!」と怒ることもしばしばですが、子どもたちが、うれしそうに機関車に乗っていたり、ソフトクリームを食べたりする姿を見ると、幸せな気持ちになります。

 家族旅行は子どものため、と言いながら、実は親のためでもあるんだなと、感じたりもしました。

子ども語録

 お出かけ前、私が奇麗な色のスーツを着ていると、次女のマキが寄って来た。

 「ママ、お姫様みたい」

 それを聞いたパパが「パパはどうかなあ?」と尋ねると、マキは少し困って「男の人みたい」。パパ、がっくり。(プロ棋士)

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