〈中倉彰子さんの子育て日記〉26・大人への階段

(2014年5月23日付 東京新聞朝刊)

中倉彰子さんの子育て日記

世話好き? おせっかい?

 GWは、家族で河口湖へ旅行に出掛けました。高速を降りてしばらくすると、目の前に富士山。車内から歓声が。てっぺんには雪がかかっていて、それはそれはきれいです。

 家族で旅行をすると、子どもたちの成長を感じることができます。今回の夕食はバイキング。前回は、子どもたちの食事やデザートなどを何度も席に運んで、ようやく私が食べている途中に、食べ終わった子どもたちが飽きてしまう状態。せわしなくて自分が何を食べたのか、記憶に残らないくらいでした。

 しかし今回は長女のマイ(8つ)が大活躍。妹弟を前に「このお皿を使って、好きな物を取っていくよ」と先生のように取り仕切っています。妹弟が運び終わってから、自分の食べ物を選ぶ姿を見て、ちょっと感動。その後も子どもたちだけで取りに行くので、私は超快適。食後のコーヒーまで楽しむことができるとは!

 マイは人の面倒を見ることが好きなのですが、少しおせっかいが過ぎる所があり、妹弟に疎まれてケンカになることがあります。うまく伸びていってくれるといいのですが…。

早く歯が抜けるのはステータス

 次の日は、テーマパークで、アスレチックを楽しみました。次女のマキ(5つ)と長男のシン(3つ)は、年が近いせいか、何でも張り合うライバルです。つり橋を恐る恐る渡るシン。その横を、タッタカターと忍者のように走り過ぎるマキ。橋が大きく揺れて怒るシン。マキはお構いなしに「シンちゃん、この先に滑り台があるよ~」とうれしそうに手招きしています。怖いもの知らずのマキと、超怖がりのシン。好対照です。

 はしゃぎ過ぎたマキは、お昼ご飯が運ばれる前にバタンキュー。テーブルを枕にスヤスヤ。でも午後はまた元気に走り回っています。子どものパワーは計り知れないですね。

 思いっきり遊んで、そろそろ帰ろうと思った時、マキが驚いた顔をして私に近づいてきました。「歯が抜けた!」。グラグラしていた歯が1本あり、毎日気にしていたのです。保育所にも同じようなお友だちが何人もいて、誰が早く抜けるかが話題になっていたようです。みんなより先に歯が抜けることが、ちょっとしたステータスなのですね。抜けた歯の場所には、大人の歯がちょこんと顔を出しています。

 「先生に言わないと。○○ちゃんも抜けたかな?」。他の子も気にしつつ、ちょっと自慢げなマキ。こうして一つ一つ、大人への階段を上って行くのですね。(プロ棋士)

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