小学校の英語で初の教科書検定 「話す」「聞く」重視の早期教育が本格化
原尚子 (2019年3月27日付 東京新聞朝刊)
文部科学省は26日、2020年度から使用される小学校の教科書の検定結果を公表した。17年に告示された新学習指導要領に基づく初めての検定。5、6年生で英語が正式な教科となり、初めての教科書ができる。グローバル化に対応する人材を育てるとして「話す」「聞く」を重視した早期からの英語教育が本格化する。
QRコードで家庭でも発音確認
文科省によると、英語教科書は7社から7点(15冊)申請され、すべて合格した。検定意見は計143件付き、中でも「学習指導要領に合っていない」との意見は33件で、全教科で最多。新指導要領は「聞く、読む、話す(やりとり、発表)、書く」の4技能5領域を学ばせるよう定めており、検定では、各単元がどの技能の習得を目指すのか、教科書に明示するよう求める意見が多くあった。
正確な発音やリスニング力を付けるため、全点がスマートフォンやタブレット端末などで音声や画像につながるQRコードを掲載。子どもが家庭でも音声を聞いて、発音を確認できるようにした。
競泳の池江璃花子選手が登場
社会では、新指導要領に、小学校としては初めて北方領土、竹島(島根県)、尖閣諸島(沖縄県)を日本の「固有の領土」と教えることが定められたのを受け、5、6六年用の教科書と地図帳の計8点全てが明記した。
18年に前倒しで教科化された道徳の教科書では、2年前の検定で、郷土愛を学ぶには不十分と意見が付いて設定を「パン屋」から「和菓子屋」に修正し、話題となった題材が姿を消した。著名人では、卓球の平野美宇選手や競泳の池江璃花子選手、将棋の藤井聡太七段らが登場。池江選手は英語でも取り上げられた。
サイズは大型化、A4判も
全体的に教科書のサイズが大型化。前回検定時は大学ノートサイズ(B5判)が6割超だったが、幅が約3センチ広いAB判が最多に。さらに縦が4センチ長いA4判も増えた。
今回の検定では、11教科164点の申請があり、全て合格した。
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