文京区立中に来年度、特別支援学級が開設 地域の要望5年「もっと早くできてほしかった」
中村真暁 (2019年5月23日付 東京新聞朝刊)
東京都文京区立第八中学校(千駄木2)に来年4月、特別支援学級(支援級)が開設される。15日の区教育委員会定例会で報告された。障害のある児童を持つ保護者らは、根津・千駄木地域の中学校への設置を区教委に重ねて要望してきた。喜ぶ半面、対応の遅さを指摘する声もある。
保護者の声「ほっとしているが、手放しに喜べない」
区教委教育指導課によると、支援級がある区立小中学校の校長でつくる特別支援教育振興委員会が現状などを協議。支援級に通う小学生の増加に伴い中学生も増加が見込まれるとして、新設や増級の検討を区教委に提言した。これを受けて、区は支援級への通学児童が増加傾向にある汐見小に隣接する八中に設置を決めた。
保護者らはこれまで、区議会に請願や、区教委に要望書などを提出して同地域の中学校への支援級設置を求めてきた。区教委は「人間関係を育む環境を整えるため、各校に最低でも2学級(1学級8人以内)を設けることが理想だが、生徒数が10年ほど変わっていない」などとして開設してこなかった。区教委によると、汐見小の支援級には現在、6年生が8人いる。
ダウン症で身体障害がある長男が八中の普通級に通う天野佳世さん(41)と、夫の崇さん(42)は「夢のようで、本人も前向き」と喜ぶ。車イスを使うため、エレベーターの存在や、電車を使わなくても通えることなどを重視し、進学先を決めた。授業内容の理解は難しく、来年度は支援級に移る考えだ。「友人関係を築き、学校に居場所も見つけられた。支援級の生徒を受け入れる土壌を、息子がいることで1年かけて浸透させたい」と話した。
汐見小の支援級に通う6年生の長男がいる富岡智子さん(45)は「ほっとしているが、八中への進学希望がかなわず、遠くの(支援級のある)中学校へ進学するなどしてきた子どもたちを思うと手放しには喜べない。5年以上要望しており、もっと早くできてほしかった」と語った。
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