「低学年の筆圧低下」「中学年で時計を読めない子が」コロナ長期休校の影響を懸念 東京都こども未来会議
松尾博史 (2020年9月25日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルス感染症の拡大などによって生じた子どもを取り巻く課題を話し合う都の「こども未来会議」の初会合が23日、開かれた。有識者が「低学年では(ノートに書く際の)筆圧が落ち、書き写せる分量が減っている」などと指摘。都庁の小池百合子知事と有識者ら5人の委員がオンラインで意見交換した。
デジタルへのアクセス格差も
国立情報学研究所の新井紀子教授は、休校の長期化による小学生への影響として筆圧低下のほか、「中学年では時計を読めない子がいる」と懸念した。
父親を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事は「コロナ禍で里帰り出産ができなくなっており、産前産後のケアや夫の育児休業が重要」と指摘。国連子どもの権利委員会委員を務める大谷美紀子弁護士は「(家庭間で)もともとあった経済やデジタルへのアクセスの格差が、さらに広がりやすくなることが心配」と話した。
小池知事は「子どもたちが笑顔で生き生きと暮らせる東京をつくりたい」と活発な議論に期待した。会議は来年1月ごろまでに3回開き、寄せられた意見や議論を都の政策に反映させる。