PTA運営のオンライン化ツール 川崎のNPOハピタが開発 起業家オーディションで入賞 

安田栄治 (2020年10月22日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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開発した「PTA運営効率化ツール」を説明する加藤さん=川崎市産業振興会館で

 紙の配布物や手作業の集計が多くアナログな、小学校などのPTA運営をデジタル化する「PTA運営効率化ツール」を川崎市高津区のNPO法人「ハピタ」が開発し、このほど「かわさき起業家オーディション」で入賞を果たした。ハピタ代表の加藤拓也さん(46)は「保護者と地域をオンラインでつなぐこともできる。子どもたちを地域で育てて少子高齢化が進む社会の課題に対応していきたい」と話している。 

無駄な会議、平日の活動を減らしたい

 加藤さんはIT大手ヤフーに勤める傍ら、3人の子どもが通った高津区内の小学校で2012年から2年間、PTA副会長を務めた。目に映ったのは、働く母親が主流となり、育児と仕事、家事をこなしている姿。無駄な会議や平日の活動が多いことに不満を抱え、PTAに関わりたくない人が増えていることも知った。

 その経験から、PTAの課題を解消しようと、エンジニア、デザイナーといったウェブ関連の仕事仲間などを集めて2018年7月にハピタを設立。PTA業務の効率化を図り、運営をオンライン化するツールを開発した。

会費はオンライン決済で 投票機能も

 資料の確認や会計報告はパソコンやスマートフォンでできる。会費はオンライン決済。投票機能を盛り込んだことで総会のオンライン開催もでき、感染症の予防対策になる。名前とメールアドレスを登録するだけで誰でも利用できる。個人情報は必要最小限でよく、地域や子育ての情報のほか、気象、交通、災害時の安否確認など幅広い活用が可能だ。

 地域とつながれば、卒業生や仕事をリタイアした高齢者などが保護者の代わりにPTA活動を担うことも期待できる。学校を中心に地域で子育てに取り組む社会の構築にもつながると考えている。

「見える化」コロナ禍に適した活動へ

 川崎市産業振興財団が主催し、創業や新分野を前提としたビジネスプランを競う起業家オーディションで、このツールは「かわさきビジネス・アイデアシーズ賞」を受賞した。オーディション審査員は「効率化に貢献しオンライン化の機能もそろっている。子どもの卒業後もツールを利用でき、ユーザー数が増えればマネタイズ(収益を得る)事業の実現化に期待がかかる」と評価する。

 加藤さんは「効率的な活動を見える化することで、健全でハッピーなPTAになり、地域の協力も取り付けられるようになる。コロナの時代にも適した活動ができる。全国の学校でこのツールを利用してほしい」と呼び掛けている。

 問い合わせは、NPO法人ハピタのメール=npohapita@gmail.com=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年10月22日

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