青梅市のPTA、校庭で25分の花火大会 コロナ禍でも夏の思い出を…子どもは感激「ぼくがお父さんになっても、こういうことをしてあげたい」
林朋実 (2021年8月10日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルス感染症の拡大で各種イベントが中止になる中、子どもたちに夏休みの思い出にしてもらおうと、東京都青梅市今井小学校のPTAが校庭で花火大会を開いた。子どもたちは感染予防のため会場周辺には出掛けず、自宅などからそれぞれ花火を楽しんだ。地域社会で資金を集め、会場が「密」にならないよう事前連絡を徹底し、コロナ禍の花火大会を実現させた。
感染対策をしながら実施可能なイベントを
打ち上げは7日午後7時半から25分間続き、色とりどりの花火が夜空にきらめいた。
3年生の塚田鉄平さん(8)は「いろんな色があってきれいで、話もしないでずっと見てた。すごい思い出になりそう」と声を弾ませた。4年生の吉沢蒼斗さん(9)は「見ながら『すげえー』って大声で叫びたかったけど、夜だから小さい声で言っていた。ぼくがお父さんになっても、子どもにこういうことをしてあげたい」と話した。
花火大会を発案したのは、PTA会長の吉田わかなさん(53)。4月にPTAの年間計画を立てる際「昨年度は恒例行事がまったくできなかった。本年度こそ、何かみんなの思い出に残る行事をしたい」と、感染対策をしながら実施可能なイベントを考えた。
クラファンで44万円 地域の寄付で77万円
あきる野市の花火業者「ホソヤエンタープライズ」に打ち上げを依頼し、都環境局の多摩環境事務所(立川市)に実施許可を申請。PTAの予算だけでは足りなかったため、6月に行ったクラウドファンディングで、目標額を1割ほど超える約44万円を集めた。地域の人たちから直接手渡された寄付金は約77万円に上り、当初の想定よりも打ち上げ数の多い本格的な花火大会が実現した。
観覧者が集まらないよう、児童の家庭や地域住民だけに回覧板などで実施日を伝え、自宅や自宅周辺での観覧を念押しした。花火が見える場所を事前に確認できるよう、7月に校庭から目印の風船を上げるなど、工夫をこらした。
準備や当日の安全対策などには、PTAメンバーだけでなく、地元消防団などさまざまな団体や地域住民が協力した。吉田さんは「子どもたちのためにたくさんの人が力を貸してくれたのがうれしい。大成功でした」と語った。
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