「いただきますの後は、お話をしないでね」小学1年生が初めての給食 コロナ下で黙食徹底、苦悩する教師たち

初めての給食で、静かに配膳をする1年生の児童たち=東京都江戸川区の葛西小学校で
本来は学校の楽しさを感じる場面が…
「残念だけど、いただきますを言った後は、お話をしないでくださいね」。8日昼、初めての給食の時間を迎えた1年生のクラスで、女性担任教師が黙食の仕方を説明した。児童たちは2日前に入学したばかり。分散して配膳の列に並んで席に戻ると、全員が正面を向いて静かにホットドッグやシチューを口に運んだ。
別のクラスでは、食事中の2人の児童が無言で手を挙げていた。2人とも、近寄ってきた教員に牛乳パックへのストローの挿し方が分からないと小声で伝え、方法を教わった。
「1年生にとっては人生で初めての学校給食。本来ならグループで席を寄せ合って食べ、学校の楽しさを感じられる場面の1つなんですが…」。内野雅晶校長(60)はそうつぶやく。児童たちに「本当はたくさんおしゃべりしたいですよね。いつかはできますから」と励ますように声を掛けた。
結局はマスク、手洗い、換気しかない
葛西小学校は、同じ校舎に葛西中学校も入る併設型小中学校で、児童・生徒数は計1350人に上る。第6波だった3学期には、感染者と濃厚接触者が計50人ほどの時もあったという。
校内では結局、マスク着用や手洗い、換気など基本的な対策を徹底するしかない。内野校長は「子ども同士の接触を断つのは難しいが、教員たちは感染拡大させないように意識し続けている。人間関係や社会性を育む学校本来の役割を果たしていくため、工夫を重ねていくしかない」と話す。
コロナ禍が始まった2020年春に入学し、臨時休校も経験した3年生には、幸いにも学習状況や日常の様子に目立った影響は見られない。1年生を見つめ、「人と人をつなぐのは言葉。マスク越しでも友達とのコミュニケーションの大切さを知り、学ぶ喜びも感じてほしい」と力を込めた。
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