プール止水ミス 川崎市立校4割にマニュアルなし 教育長が市教委の責任認める「発生予防が十分ではなかった」

北條香子 (2023年9月15日付 東京新聞朝刊)
写真

川崎市立小学校でのプールの水の流出事故について答弁する小田嶋満教育長=川崎市役所で

 川崎市の市立小学校プールの止水ミスで、男性教諭らに約95万円の賠償を求めた市教育委員会に抗議が殺到している問題に関連し、小田嶋満教育長は14日、プールを使っている市立校162校のうち約4割で注水装置の操作マニュアルがなかったことを明らかにした。

口頭引き継ぎ、操作盤表示を見ながら操作…

 川崎市議会代表質問での市古次郎議員(共産)に対する答弁。市古氏が市立校で注水装置の操作方法の説明が徹底されていないと指摘。小田嶋氏は、今回のミスを受けて実施した調査により、約4割の学校に操作マニュアルがなかったことが分かったとして、「教育委員会としても発生予防への配慮が十分ではなかった」と市教委の責任を認めた。

 教職員間が口頭などで引き継ぎをしたり、操作盤の表示を見ながら操作したりしているケースもあったという。

今回ミスがあった学校にもマニュアルはなし

 市古氏によると、今回ミスがあった学校にも操作マニュアルはなく、簡単な注意書きが書き込まれた装置の写真が機械室に置かれているだけだった。

 小田嶋氏は「行政側としても損害の予防に関する配慮が十分ではなかったことを考慮し、(教員らには)損害額の5割を請求した」と述べた。

写真

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年9月14日

0

なるほど!

0

グッときた

4

もやもや...

0

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • 教師のバント says:

    宮城でも川崎と同様の「プールの水出しっぱなし事件」が起きたようだ(約5ヶ月前)。宮城の学校では教員に弁償はさせなかったようだが、川崎市との違いについて分かり易く比較して頂けると、何が問題なのか、浮き彫りになるのではないか。それにしても、各校において、なぜ教員にプール管理が押し付けられているのだろうか。その辺りの背景も記事にして頂けると有難い。
    もうプール授業は廃止するか、近隣の民間プール借用に転換した方が良い。

    教師のバント 男性 50代
  • 匿名 says:

    そうであれば教育委員会が全額賠償すると市に掛け合うべき。市長と一緒になって現場を叩いて保身に走る姿は川崎市の教職員の目にどう映るのか。

    マニュアルの確認も整備もしません。プール係に手当ても当然なしです。プール管作業に関する残業も残業代は当然なしです。でもミスったら係の自腹で半額払ってね。

    これが川崎市教育委員会の唱える「やりがい」だとしたら誰がそんな自治体で働きたいと思うのか甚だ疑問だ。

  • 教師のバント says:

    ということは、残り半分の95万円は税金で賄う訳ですね。校長と該当教員に95万円請求しているのに、ご自分やお仲間は賠償0円(=税金による補填適用)とは。それで責任を認めたことになるのですか?「いざという時には我々が責任を取る」覚悟が無いから同じようなミスが繰り返されるのではないですか?

    教師のバント 男性 50代

この記事の感想をお聞かせください

/1000文字まで

編集チームがチェックの上で公開します。内容によっては非公開としたり、一部を削除したり、明らかな誤字等を修正させていただくことがあります。
投稿内容は、東京すくすくや東京新聞など、中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

あなたへのおすすめ

PageTopへ