「妻がスマホを触りながら2歳娘の相手…やめてほしい」 ならパパがお子さんに付き合って〈宮里暁美の子育て相談〉

(2024年2月20日付 東京新聞朝刊)

宮里暁美の子育て相談

共働きで、時間の余裕がなく…

 妻がいつもスマホを触りながら2歳の娘の相手をしています。私はやめてほしいのですが、どう話せば一番よいのでしょう。共働きで、ふだんは時間の余裕がありません。(30代父親)

イラスト 窓に指で絵を描く子ども

イラスト・永須華枝

妻の思いや状況を理解しましょう

 それは気になりますね。気になりだすとスマホをいじっている姿が目に入りやすくなり、「やめて!」という思いが膨らみますが、ことはそう簡単ではないように思います。人は自分のしていることを自覚することが意外に難しいのです。奥さま自身は自分が「いつもスマホを触っている」と思っていない可能性があるのです。

 あなたが勇気を出して「子どもの相手をしている時、スマホはやめてほしい」と話したとします。すると「私にはその自由もないの!」「あなただって同じでしょ」と大きな怒りが返ってくる可能性大です。真意は伝わらず、果てしない言い合いになってしまうかもしれません。それは、避けたい、と心から思います。お子さんがほしいのは、ニコニコしているパパとママの存在なのですから。

 共働きの子育ては2人の協力なしには進みません。相手の思いや状況を理解しようとする姿勢が大事です。彼女はスマホで何をチェックしているのでしょうか。子育て情報、最新のニュース、メールのチェック? 保育園のお迎えも済まして、夕飯の用意をする前のひととき、ようやく自分の時間が持てたのかもしれません。カレーが煮込まれているその時間が、スマホタイムなのかもしれません。

 スマホの情報を見ていると、お子さんが何かを言ってきても上の空の返事をしがちです。お子さんにとっては、うれしいとは言えない状況ですから、そのような姿を見かけたら、パパが「どうしたの?」とお子さんに付き合ってあげたらどうでしょうか。

 私も3人の子育てをしながら仕事を続けてきました。仕事のことを考え始めたりすると、上の空の返事をしていたようです。子どもたちは大人になりましたが、今でも、私が「ふんふん」的な相づちを打つと「あっ、聞いていなかったでしょ」とツッコミがきます。「あっ、やっちゃった」と反省し「ごめん、もう一回聞くよ」と言える私になりました。親の成長にも時間が必要なのだと思います。

 (文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

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