子どもの自慰に気づいたら 男子も女子もして当たり前、親は何を伝えればいい?〈性教育ビギナーズ〉
浅野有紀 (2020年7月28日付 東京新聞朝刊)
性への芽生えや体つきが変化する第二次性徴期。自慰行為や性器の形など、子どもたちの悩みは尽きないようです。思春期のもやもやに電話で耳を傾ける開業助産師の桜井裕子さんに聞きました。
強い刺激、大丈夫?→みかんをつぶさない程度の力で
-どんな相談が多いですか。
床や壁などに性器をこする自慰行為は「大丈夫か」と不安そうに聞いてくる子は多いです。強い刺激に慣れると、将来、大切な人ができた時、相手が異性でも同性であっても性交渉で射精しにくくなるので、少しずつ刺激を弱くしていく必要があると伝えます。
泌尿器科の先生は、皮をむいたみかんをつぶさない程度の圧力で優しくするんだよと言いますね。コンドームの中にローションなどを入れて試すのもいいと思います。
性器の形や大きさに悩む子もいますが、その多くはアダルトビデオの男優と比べてしまっている。不安な気持ちを否定せず「大丈夫だよ」と耳を傾けていると、子どもたちは安心するようです。
見られてしまった子どもの気持ち「黙って静かに…」
-子どもの自慰行為に気づいたら、動揺してしまうかもしれません。
自慰行為は、男子も女子もして当たり前。私は、プライバシーが守られる空間でしようねと伝えます。具体的には風呂、トイレ、布団の中を勧めます。学校のトイレでするという子もいますが、公共の場所なので適さないと考えてほしいです。ごみ箱にティッシュを捨てたままにする子もいますが、臭いが気にならないようトイレットペーパーを使って流すなどの対策を伝えています。
保護者からは「見てしまったらどうすればいいか」と聞かれることがありますが、難しいですよね。相談してきた子に聞くと「黙って静かにドアを閉めてほしい」そうです。
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