専門医として常に最新の知識を〈森戸やすみのメディカル・トーク〉

イラスト 専門医と医師免許証

イラスト・刀祢絢子

子どもの疾患の多さに驚いて

 私は医師で、小児科専門医でもあります。小児科に限らず、全医師の9割以上がいずれかの専門医か元専門医です。人の病気は多様で、医師免許を取っただけでは不十分ですし、知識も古くなります。診療を仕事にする医師にとっては、そのくらい取っておかないとという基本的な資格です。

 私は医師になってすぐ、子どもの疾患が多いことと自分が無事に成人できたことに驚きました。多少のことはあっても大病でなかったのは、ただの幸運だったのです。経験を積むほど、あまたの病気があるのだと痛感しました。今も学会誌を読み、勉強会に参加することを心がけています。

 専門医の取得には、決められた医療機関で数年間の臨床経験が必要です。経験した中から数十例、症例の要約などを提出し、試験を受けます。

 内科や産婦人科など19の基本領域(診療科)、24の細分化された領域で統一された基準をもとに、日本専門医機構が専門医を認定します。歯科については、日本歯科専門医機構が認定しています。資格の更新は5年ごとで、一定の基準を満たす必要があります。

 前回、専門医の認定制度について触れ、「『小児歯科』は小児歯科学会が認定しています」と書きましたが、制度の変更があり、現在は日本歯科専門医機構が「小児歯科」を広告可能な歯科専門医として認定しています。

森戸やすみ(もりと・やすみ)

 小児科専門医。1971年、東京都出身。一般小児科、新生児集中治療室(NICU)勤務などを経験。「子育てはだいたいで大丈夫」(内外出版社)、共著に「やさしい予防接種BOOK」(同)など、医療と育児をつなぐ著書多数。「祖父母手帳」(日本文芸社)も監修。子どもの心身の健康や、支える家族の問題について幅広く伝えます。

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