市立保育園の廃園計画で揺れる小金井市 「国基準を満たす園庭がある認可保育所」の割合は多摩26市でワーストだった
花井勝規 (2022年8月9日付 東京新聞朝刊)
東京都小金井市が市立保育園5園のうち3園を廃園する方針を打ち出した問題に関連し、市内43の認可保育所のうち、国の基準を満たす園庭を有する施設の割合が37%と、多摩地域26市の中で最低だったことが市の調査で明らかになった。調査は8日の市議会厚生文教委員会向けに小金井市が実施し、資料を配布した。
3園廃園でさらに下がれば…保育の質は?
小金井市側は委員会で「国の基準を満たす園庭を要望して誘致してこなかった」と認め、「待機児童解消のため新規開設を急速に進めてきた」と釈明した。
国の基準では、園庭の面積を2歳以上の園児1人当たり3.3平方メートル以上とし、近隣の公園も代替できるとしている。市が方針通り3園を廃園すれば基準を満たす園の割合がさらに減る可能性があり「保育の質」確保の点から議論を呼びそうだ。
「小金井市は園庭確保の努力が足りない」
東京都内など主要自治体の園庭保有率などの調査をしている「保育園を考える親の会」(豊島区)の普光院亜紀顧問は「子どもがのびのびと育つために園庭は重要。小金井市は園庭確保への努力が足りない印象だ。23区には積極的に事業者と地権者との間に入って園庭確保に努力している自治体はある」とコメントした。
小金井市の調査で、23区に隣接していながら3位に入った三鷹市の担当者は「一部例外はあるが、保育の質の観点から、新規開設の際には園庭を整えることを条件にお願いしてきた」と話した。
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東京新聞の、花井記者はじめ記者の皆様には、小金井市議会の公立保育園廃園方針関連の動向を、ずっと追いかけていただいていること、感謝申し上げます。
今回の記事も、普光院さん、三鷹市役所の担当の方への取材とコメント掲載もあって、とてもありがたいと感じました。
小金井市役所の担当課は、「貴重な園庭」のある公立保育園の廃園を進める理由として「園庭の無い園でも、園庭のある園でも、園外へお散歩へいって、園外活動をするという点では同じだから」ということを挙げています。
園外活動の回数や、「園庭があれば、園庭でも遊べるし、お散歩の時は公園でも遊べる」という外遊びの選択肢やバリエーションを無視した、非論理的な理由だと思います。
しかも、武蔵小金井駅近くには、園庭の無い園、狭い園が多いですが、公園は非常に少ないです。しかし、市内の全ての保育園の園児に、外遊びの機会が公平にあるのかどうか、市は調査しようともしません。(遊びの質は、保育の質の指標の一つになりうるのでは?と思うのですが。)
東京新聞の、子ども子育て部門担当者の方、小金井市担当の方には、今後も市政を注視していただけましたら、幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。